エピローグ
1924年。満州。
リーズは店を大陸に移していた。大陸は日本以上に西洋の影響が少ない。華やかな洋装をしてるのは祖界に住む西洋人ばかりだ。
「すみません。」
ある日来店したのは短髪の黒髪のチャイナドレスの女性だ。
「いらっしゃいませ。」
対応したのは朝鮮人のマヌカンリンカであった。
「あの、マダムはマダムリーズはいらっしゃいますか?」
「少々お待ち下さいませ。」
リンカはリーズを呼びに奥へとはける。
「お待たせ致しました。」
リーズが奥からやって来る。
「お久しぶりですね、マダム。」
「貴女は芳乃さん?」
芳乃とはかつて日本でお店をやってた時のお客様だ。少女歌劇団の養成学校に入学し娘役として入団するために頑張っていた。しかし卒業を控えたある日背が伸びて劇団唐は男役としての入団を勧められた。そして家族からは婚約者を紹介された。男役としての入団か結婚の2択を迫られた時リーズの元に来たのだ。
「はい、でも今は芳乃ではないのです。」
芳乃は男役として桜乙女歌劇団に入団する事を選び芳杏樹ほう あんじゅという芸名で男役として活躍している。
「マダムがこちらにいると聞いて伺ったのです。」
杏樹はリーズにチケットを手渡す。
チケットには「ホセとカルメン」と演目と一緒に黒いロングヘアのウィングにドレスの杏樹とタキシードの男役の写真の写しがある。
「男役として入団されたのでは?」
芳乃は7年前リーズから2着の服をプレゼントされどちらか選ぶように言われた。タキシードかウェディングドレスだ。芳乃はテーブルにあった鋏で髪を長く切りタキシードを選んだ。
「マダム、歌劇団では強きな自立した女性は男役が演じる事があるのです。」
杏樹は満州公演のオーディションに受かりヒロインのカルメン役を手に入れたのだ。
「杏樹、こんなところにいたのか。」
店内にタキシード姿の紳士が入ってきた。いや、紳士ではない。リーズの持つチケットの杏樹の隣にいる人物だ。
「ごめんなさい。昔の知人に会ってたのです。館川様。」
「今日は稽古休みだから満州の街一緒に周る約束だろ?」
杏樹は館川に肩を抱かれ店を出る
「芳乃様」
リーズが呼び止める。
「貴女が選んだ道も間違ってなかったようね。」
FIN




