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経営難な料亭を立て直すため、料亭で修行することに。だがなぜかラブコメ展開に!?  作者: 彼方夢
京都料亭は波乱万丈⁉

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8/14

地獄の修練の日々を癒してくれる五姉妹。

 料亭での修行も二週間目。

 そこから、もう一段階認めてもらえるようになるために、晶が行うことになったのは、包丁捌きの習得であり、その練習の筆頭こそが、キャベツの千切りだ。

 何玉も、何玉も。ひたすらキャベツを刻む。


 その練習の要因は――手首のスナップの叩き込み。それと、修練での根性叩きである。人間は同じ行動を何分も、何時間も繰り返すことを本能的に嫌う。だが仕事においてはその本能の逆を行かなければいけない。料理人も同様だ。それを本能に叩き込む必要があり、根性論と同一性というわけだ。

 とりわけ、そういう行動は晶の得意とするとこだったが。


 ――この地獄の修練が原因で、異なる道を歩むことになった。

 眩暈がするほどキャベツの千切りを行う羽目になったので、晶の精神性はどんどんと擦り減っていく。


 約十時間、千切りをする毎日。視線を彷徨わせる瞬間も生まれる。

 もう疲れた……

 部屋に戻り気絶するように眠る。

 そんな晶を癒してくれたのが――五姉妹の存在だった。




「ねぇ。今さ、楽器の練習しているんよ」

 にこにことしながら希美がベースを部屋に持ってくる。休日のある日のこと。

「そうなのか」

 晶は彼女の趣味に興味を持つ。


「どういう曲を練習しているんだ?」

「えっとね、Mとか?」

「あゆの?」

「うん」

「また懐かしい曲だな」

「好きなんだもん」

「でもああいうJポップはベースが単調じゃないのか?」

「どうかな?」

 晶は少し笑い、

「また聴かせてくれよな」

「うん」

 希美が部屋から去っていく。パタパタとスリッパの音が響いた。


「頑張っているんだな」

 休日の日に希美や、他の四姉妹の面々が頻繁に晶と会う。

 出掛けたり、演奏を聴かせてくれたりなど、様々なことをして晶を支えてくれる。


「ちょっと、なにしてんのよ!」

「いや、ベースの練習をしてる……」

「そんなこと、深夜二時にしなくてもいいでしょ」

「そうかな」

「そうよ!」

「二人ともうるさいぞ」

 梨丘と希美の深夜の大喧嘩に割って入る晶。

「場山さんも俺も休んでいるんだ」

「ごめんなさい……」

「ごめん」

 溜息を吐く、晶。

「分かってくれればいいんだ」

 すると希美がベースシールドを誤って引っこ抜いてしまい、つんざくような音が屋敷に響いた。

「あんた、本当にいい加減にしなさいよ!」



 頼むから……勘弁してくれ。


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