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経営難な料亭を立て直すため、料亭で修行することに。だがなぜかラブコメ展開に!?  作者: 彼方夢
京都料亭は波乱万丈⁉

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2/15

鴨川、それから朝の地獄の仕込みへ。

「ここがあなたの部屋」


 梨丘に料亭や、その近所にある屋敷を案内される。晶はメモを取りながら梨丘の言う事を聞いていると、


「なんか、あなたって律儀だね」

 なんて褒められた。

「ありがとう」


 少し前屈みになってからこちらを窺ってくる。


「面白い。女将も気に入りそう」

「どうだか……俺、あの人ちょっと怖いよ」


 そうしたらくすり、と笑ってきた。


「半分当たっているかもね」

「ん?」

「夕飯が出来たら呼ぶから。どこか観光にでも行って来たら? 明日からはそんな余裕無いんだから」

「そうだな。そうするよ」


 晶は自室だと言われた部屋に荷物を片付け、それからスマホで観光案内を検索する。


「鴨川でも見に行くか。ここから近いし」


 部屋から出て外に出た。

 都会の喧騒とは打って変わって空気がうまい。そのためか、緊張感が少し抜けた。

 鴨川に向かうまでの祇園道中にて、舞子さんが歩いているのを見かけた。

 そして、空気が湿っぽくなってくる。


「――あれが、鴨川か……」


 近くには納涼床が並び、あそこに見えるのは鴨川デルタか。四季折々で様変わりする様子はまるで脱皮を繰り返す蛇のごとく。蛇は自然信仰にルーツを持ち、水神や農耕神として『神聖な存在』として認知されてきた。


「綺麗だな……」


 少し日も暮れてきて、水の表面が紅く染まる。


「梨丘も呼べばよかったのに」

「……え?」


 唐突に梨丘の名を呼ばれた。その声のした方を見ると女子高生が四人、大判焼きを食べながら喋っていたのだ。

 ――梨丘の友人か?

 晶は何の気もないけれど、屋敷に引き返すことにした。



 部屋でゆっくりしているとノックが鳴った。

 扉を開けると、そこには女子高生が五人、並んでいた。そこには梨丘もいる。


「美人局?」

「……誉め言葉として受け取っておくよ」


 青髪が肩ぐらいまで延ばされた美人がそう言った。


「私たち姉妹を紹介するよ」

「し、姉妹?」

 びっくり、仰天ニュースだ。

「この青髪の子が智菜ともな。美人でしょ」


 梨丘の言葉に素直に頷いておく。

「で、この金髪ギャルが希来里きらり。キラキラ女の子で覚えとけばいいから」

「人を蛍みたいに言うな」

「そしてこの二人は双子。希美きみ陽菜ひな。名前を呼べば勝手に反応して、判別がつくから」

「私たちをアレクサみたいに言うなって」

「というのが私たち――美人五姉妹です」


 晶は少し笑ってしまった。

 きょとん、としている五人組。



 朝、三時半。

 晶はひたすら厨房で菊の花を作っていた。

「あとその作業三時間続けろ」

「はい」

 現場を指揮する料理長にそう指示され、従った。

 何個も、何個も作る。

 これもすべて、実家の定食屋のため。頑張るしかない。

 


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