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第四十二話(後編):ガルフィ失踪の謎

第一王子ヴァルドから。


エリックの杖について語られた。


そして。


ガルフィの行方についても。


少しずつ。


これまでの出来事が。


繋がり始めます。


果たして。


ガルフィは、どこへ消えたのか。


それでは、第42話後編です。

「その杖についてだ。」


「……。」


エリックが。


杖を見る。


「これ?」


「そうだ。」


ヴァルドは。


椅子に腰を下ろす。


「座ってくれ。」


二人が。


向かいの席に座る。


ヴァルドは。


しばらく黙っていた。


そして。


ゆっくりと口を開く。


「まず。」


「謝らなければならない。」


エリシアが。


顔を上げる。


「謝る?」


「ああ。」


ヴァルドは。


静かに続けた。


「お前たちが。」


「グランベルドへ向かっている間。」


「我々は。」


「ずっと見ていた。」


エリックが。


目を瞬かせる。


「……ずっと?」


「そうだ。」


「我が国を通る者を。」


「何も確認せずに通すわけにはいかない。」


ヴァルドは。


淡々と続ける。


「まして。」


「第三王女殿下が同行している。」


エリシアは。


静かに頷いた。


ヴァルドが。


少しだけ表情を和らげる。


「お前たちの行いは。」


「知っている。」


「人々を救ったことも。」


「王女殿下が病人を看病したことも。」


「野営で風呂を作ったことも。」


エリシアが。


少し驚く。


「そこまで……。」


「見ていた。」


ヴァルドは。


短く答える。


そして。


視線をエリックへ向ける。


「だが。」


「今日、二人を呼んだ理由は。」


「それだけではない。」


ヴァルドの視線が。


再び。


エリックの杖へ向く。


「その杖だ。」


エリックが。


杖を見る。


「これ。」


「ああ。」


ヴァルドは。


頷いた。


「我々の部下の一人が。」


「グランベルドへ入ったお前たちを見て。」


「気づいた。」


「その杖は。」


「ガルフィが作ったものではないか、と。」


エリックは。


迷うことなく答える。


「うん。」


「ガルフィが作った。」


ヴァルドの表情が。


僅かに変わった。


「……やはりか。」


そして。


静かに続ける。


「確認したかった。」


「この目でな。」


エリシアが。


尋ねる。


「第一王子殿下は。」


「ガルフィさんをご存じなのですか?」


ヴァルドは。


少し黙った。


「……ああ。」


「だが。」


「今、どこにいるのかは。」


「我々にも分からない。」


エリックが。


顔を上げる。


「行方不明?」


「そうだ。」


ヴァルドが。


答える。


「我々も探している。」


エリックが。


顔を上げる。


「ガルフィを?」


「ああ。」


ヴァルドは。


静かに頷いた。


そして。


声を落とす。


「一つ、頼みたい。」


「この件は。」


「父上には伏せてほしい。」


エリシアが。


ヴァルドを見る。


「……国王陛下に?」


「ああ。」


「理由は。」


ヴァルドは。


答えなかった。


ただ。


エリックの杖を見つめる。


「まだ。」


「話せない。」


短い沈黙。


そして。


ヴァルドが。


続ける。


「それと。」


「その杖。」


「王都では。」


「布で包んで運んでくれ。」


エリックが。


首を傾げる。


「目立つから?」


「それもある。」


ヴァルドは。


静かに答える。


「だが。」


「それだけではない。」


「……。」


エリックは。


杖を見る。


ヴァルドは。


しばらく黙っていた。


そして。


少しだけ表情を和らげる。


「その代わり。」


「明日からの交渉については。」


「私から口添えしよう。」


エリシアが。


目を見開く。


「……外交に?」


「ああ。」


ヴァルドが。


頷く。


「できる限り。」


「力になろう。」


そして。


ヴァルドは。


エリックを見る。


「それから。」


「ガルフィを探すことにも。」


「我々は全力で協力する。」


エリックが。


少しだけ身を乗り出す。


「……本当?」


「ああ。」


第一王子は。


まっすぐにエリックを見る。


「約束する。」


エリックは。


少し考えてから。


頷いた。


「分かった。」


エリシアも。


静かに頷く。


「承知しました。」


ヴァルドは。


小さく息を吐いた。


「ありがとう。」


部屋に。


再び静けさが戻る。


エリックの手には。


ガルフィが作った杖。


それは。


ただの杖ではない。


ヴァルドが。


これほどまでに警戒する理由も。


ガルフィが。


今どこにいるのかも。


まだ。


誰にも分からない。


ただ。


一つだけ。


確かなことがあった。


――ガルフィを探すこと。


その目的だけは。


今。


三人で共有された。


長い廊下を。


エリシアとエリックが。


並んで歩いている。


しばらく。


二人とも。


黙っていた。


やがて。


エリシアが。


ぽつり。


「……ヴァルド殿下。」


「男前でしたね。」


エリックが。


エリシアを見る。


「うん。」


「格好よかった。」


「……。」


エリシアが。


少し考える。


「年齢は。」


「レイナと。」


「あまり変わらないぐらいでしょうか。」


エリックが。


首を傾げる。


「二十歳くらい?」


「たぶん。」


エリシアが。


頷く。


「それくらいでしょうね。」


「私たちより。」


「ずっと大人に見えました。」


エリックが。


少し考える。


「王子だから?」


「それもあると思います。」


エリシアは。


歩きながら。


先ほどのヴァルドを思い出す。


「でも。」


「なんだか。」


「少し怖い人でしたね。」


エリックが。


頷く。


「うん。」


「何か知ってる。」


「……そうですね。」


エリシアも。


小さく頷いた。


二人は。


そのまま。


長い廊下を歩いていく。


「ガルフィ。」


エリシアが横向き顔を近づける。


「気になりますよね。」


「うん。」


エリシアが。


さらに顔を近づける。


「……調べますよね。」


「近い。」


「……。」


エリシアが我に返る。


「……。」


少しだけ顔が赤くなる。


約束ですよ。」


「うん。」


エリックが。


ぽつりと呟く。


「探す。」


王家別館。


エリシアとエリックが。


部屋へ戻ってくる。


レイナが。


二人を見る。


「どうだった?」


エリシアが。


椅子に腰を下ろす。


「ヴァルド殿下と。」


「お話をしてきました。」


ミーナとルチアも。


顔を上げる。


「何のお話だったんですか?」


エリシアが。


少し考える。


「ガルフィさんのことです。」


「……。」


ボルグの手が。


止まる。


「何?」


エリシアが。


慌てて手を上げる。


「まぁ、落ち着いてください。」


ボルグが。


身を乗り出す。


「ガルフィがどうしたんじゃ?」


「行方不明らしいです。」


「何じゃと!?」


ボルグが。


立ち上がる。


「師匠が!?」


「ですから、落ち着いてください。」


レイナが。


ボルグの肩を押さえる。


「話を聞こう。」


ボルグは。


渋々座り直す。


エリシアが。


続ける。


「ガルリィア側も。」


「ガルフィさんを探しているそうです。」


「ただ。」


「この話は。」


「国王陛下には伏せてほしいと。」


ボルグが。


眉を寄せる。


「……何故じゃ。」


「それは。」


エリシアが。


首を横に振る。


「まだ教えてもらえませんでした。」


「ただ。」


「ガルフィさんを探すことには。」


「協力してくださるそうです。」


エリックが。


頷く。


「うん。」


レイナが。


二人を見る。


「それで?」


「これからどうする?」


エリシアが。


少し考える。


「探します。」


「でも。」


「大っぴらには動けません。」


レイナが。


頷く。


「なら。」


「それとなく調べよう。」


二人の魔法使いを見る。


「ミーナ、ルチア。」


「出入りしている行商人から。」


「それとなく話を聞いてくれ。」


「はい。」


「分かりました。」


次に。


レイナは。


二人のSランク冒険者を見る。


「あなたたちは。」


「道具屋を中心に。」


「片っ端から。」


「ただし。」


「ガルフィを探しているとは言わない。」


二人が。


頷く。


「了解。」


「任せて。」


レイナは。


最後に。


ボルグとエリックを見る。


「二人は?」


ボルグが。


即答する。


「鍛冶屋じゃ。」


エリックも。


頷く。


「それと。」


「ガルフィの家。」


「うむ。」


ボルグが。


「師匠なら。」


「何か残しているかもしれん。」


エリシアが。


全員を見る。


「では。」


「それぞれ。」


「慎重にお願いします。」


「はい。」


全員が。


頷いた。


その横で。


ボルグは。


まだ師匠のことを考えていた。


――ガルフィ。


いったい。


どこへ消えたのじゃ。

今回から。


ガルフィを探すことになりました。


ただし。


大っぴらに探すことはできません。


それぞれが。


それぞれの方法で。


手掛かりを探していきます。


そして。


エリックの杖についても。


まだ分からないことが残っています。


ここから。


少しずつ謎が繋がっていく予定です。


次回もよろしくお願いします。


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