79 気がつくと、彼女は、俺の肩に頭をもたれて、眠り込んでいた
前のエピとくっつけようかと思いましたが、これはこれでカットが自然。
こう、読みたい、読ませたい、って感じですかね。
「結局、お父様、保証人にはなって下さいませんでしたね」
「いや、まあ、そんなものだろうと思ってはいたから」
帰りの列車は、俺たちと同じように、帰省を終えた旅人達で、かなり込んでいる状態だった。
それでも座席に座れたのは、母ちゃんが気を利かせて、帰りの予約席のキップを手配しておいてくれたからだ。
俺と、れんげちゃんが、これからどうするかは、きっと、俺自身、まだ判らないけど。
ただ、俺は多分、ラーメンが好きで。
彼女の手さばきの中に、俺もいつか、ああなりたいと思えるような所があって。
だから、多分、一緒に実家に帰ってきて良かったのだと思っている。
上手く言えないけど、多分、俺は、家族が働くあの店に居場所を求めていたんじゃないんだ。
来々軒のラーメンに出会ってから。
そう、多分、俺は、ラーメンを作りたいと思うようになって。
それを、親父や母ちゃんや兄貴姉貴たちに、判って貰えれば、それで多分、良かったんだと思う。
「そんなもんだよ。それで、いいんだよ…
れんげちゃん?」
気がつくと、彼女は、俺の肩に頭をもたれて、眠り込んでいた。
相席になった向いの夫婦が、微笑ましそうに俺たちを見ている。
ちょっと気恥ずかしかったが、でも、まあ、いいか。
彼女も、きっと目に見えない所で、俺の家族に気を使っていたのかもしれない。
ずれて落ちないように、そっと彼女の頭を抱えるように支えながら。
俺は、来々軒に、自分の居場所に帰れる事を、嬉しく思っている自分に気付いていた。
(続く)
ページ数が足りないなぁ。
そうだ、人物紹介でも、入れておこうか。




