表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
来々軒繁盛記 ~ 寒くなったねぇ。ここで、熱いラーメンを一杯、食べていきなヨ  作者: 白河夜舟
第17章 鳴人のもてなし、親父の復帰、両親の来訪

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/126

111 今の自分にできる精一杯の

 あれから1週間後。

 信金野郎、根岸との約束の日が、ついにやってきた。

 俺が親父さんと同じように麺をゆでられるかどうか、審判の日、というわけだ。

 審判は少し大げさかもしれないが、根岸と親父さんとの意地の張り合いがどっちに傾くか、ということになる。

 俺の中では、五分五分だよなあ、とは、思う。

 自信があるのか無いのか、あいまいだなと思わないわけでもないが。

 気持ちの問題というのは、少なくとも俺みたいな人間にとっては割と大切な事の様だ。

 俺は、親父さんのようには麺を茹でられない。

 というか、イーグル配送便のナベの方が、俺なんかよりはるかに上手く麺を茹でられる。

 それをいうなら、れんげちゃんには一生かなわないだろう。

 でも。

 親父さんが、俺の茹でた麺にはアイがある、自分が守ってきた味だというのなら。

 その辺のことは、俺が考える話じゃないのだと割り切ることに決めた。

 あと、これが大きいと思う。親父さんの茹で方を真似るのを、止めた。

 つまり、味が同じなら問題はないし、親父さん自身が、自分の真似は出来ないと言っているのだから。

 俺は俺のやり方で麺を茹でればいい。そう決めた。

 味は、多分だが、常連として来々軒に通っていた自分の舌が覚えている。

 今までの、麺の茹で方はさっぱり分からなかった俺とは違う。自分で言うのもなんだが、高価な食材を散々ダメにしてきたが、その分、真剣に練習した。

 だから、自分なりの茹で方でいい。

 問題は、どうやってアイのあるラーメンを作るか、だ。

 親父さんは、奥さんのためにアイのあるラーメンを作ってきた。

 じゃあ、俺は、誰のためにアイのあるラーメンを作るんだろう。

 そりゃ、もちろん、れんげちゃんのために、だろう。

 でも、れんげちゃんは俺なんかが作ったラーメンを受け入れてくれるんだろうか。

 いやいや、あんなに一生懸命、俺に仕事を、ラーメンを教えてくれたれんげちゃんなんだ。全くダメということは無いはずだ。

 今の自分にできる精一杯の、アイのあるラーメンを作れれば、それでいいじゃないか…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ