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織田信忠ー奇妙丸道中記ー Lost Generation  作者: 鳥見 勝成
第四十六話(元亀二年の近江攻め編)
472/474

第472部 新生、丹羽軍団

南近江、愛智川東岸。


志村城と小川城は、伊勢長島のように、琵琶湖に流れ込む愛智川下流の中州を利用した天然の要害である。

しかし愛智川は、確かに水量は豊富であるが、揖斐川・長良川・木曽川といった大河川に比べれば川幅はあるが浅い方だ。更に湖畔の岬に突き出た志村城は、春からは織田軍の包囲により交通が遮断され、湖上からの海賊衆の行き来でしか、補給が出来ず物資に窮乏していた。


小川城攻略に向かう丹羽軍。

丹羽長秀軍の中でも尾張時代からの丹羽家譜代衆と、軍団に所属しほぼ家臣団化が進んでいる与力衆、そして新たに旗頭の元に編成された在地の与力衆が居て、それぞれ功名を競う。

弟:丹羽九兵衛秀重の率いる搦め手軍は、松原水軍と入江水軍を導入して琵琶湖沿岸から城への襲撃を試みた。


志村城主の筑後守資則は、近江衆として昔からなじみの湖賊の多くが船を出し、敵としてこちらに迫るのを見て闘志を燃やす。

「おのれ、もはや湖に出ることもできぬ、皆の者、背水の陣で迎え撃て」

「「おおー!」」

篭城する志村の一向一揆の千兵は、玉砕を覚悟し、残り少ない矢・玉で必死に防戦に努める。

*******


「逆茂木や罠があるかもしれぬ。用心を」

水軍の将:松原五郎兵衛直元に入江小次郎の湖賊部隊が兵員を輸送し、一揆衆の水中の罠を警戒しながら砂浜に上陸する。

大将:秀重と、在地の武将を取り込む婚姻戦略で長秀の妹婿に迎えられた浅見宮内少輔忠実が、新参近江衆を率いて、周溝と盛土を越え、柵を倒し城門に押し寄せる。

さらに、先のいくさの手柄から長秀の娘婿に迎えられ名門:赤田家を継承した赤田堅(旧姓:渡辺隼人正)を中心に、侍大将の安養寺猪介、多賀賢長親子、藤堂勝兵衛嘉房、渡辺半左衛門、建部与八郎入道寿徳、太田小源五一吉らが、一斉に城壁に襲い掛かり城内への乱入を試みる。

古参の尾張・美濃衆に侮られまいと必死の突撃を繰り返した。


近江衆の猛攻を見て、東側から渡河を試みたのは、長秀軍団の尾張譜代衆。

大河に挟まれた長島とは違い、浅瀬からならば歩兵でも接近が可能な城だった。

「我ら尾張衆にとっては、これしきの川は難所ではないな」

尾張譜代衆を率いる娘婿の山田修理高定、旧清須斯波家臣の種橋藤十郎成章と、溝口金右ヱ門定勝が志村城の城門を攻略する。

譜代の侍大将達は、歴戦の老将:成田入道道徳に、息子の新九郎三章と庄次郎重忠。寺西次郎助正勝(息子の是成は長秀小姓)、変わり所では旧今川家の家臣で、浪人し諸国放浪していた大谷弥兵衛吉秀と息子:与兵衛元和を美濃侵攻前に採用していた。


信長から付属された軍監兼与力の将は、奥山(佐久間一門)弥太郎重定、安食弥太郎定政、与力:蜂屋頼隆(丹羽軍団の副将、五郎差に代わり上方に出向中)の付家老も務める村上次郎右衛門頼勝の、比較的尾張国内でも大身のもの達が選ばれ、西美濃三人衆のように三者で一軍を形成できる陣容だ。


長秀の本陣は、馬廻りで側近の江口三郎右衛門正吉、同僚の青山助兵衛宗勝。上田甚左衛門重元が守り、

秀吉与力の戸田勝隆の弟:戸田半右衛門勝重(長秀小姓)、戸田次郎右衛門忠勝(のち村上家の養子)。

青山宗勝の息子で信長小姓の青山虎(忠元)に、同じく上田重元の息子:亀丸(重安)らが親元に戻り在陣する。

他にも、秀吉与力の美濃衆:古田重則の息子:古田彦三郎重勝を(人質兼)傍衆に置き、長秀は将来を見込んで重勝を娘婿に迎えている。戸田・古田の両家は秀吉配下の尾張・美濃衆との橋渡し役でもある。


城を回り込んで西側から攻撃を仕掛ける与力の美濃衆には、老将:大島光義に一門の新八郎。青木加賀右衛門重直と息子:所右衛門一重が選ばれ、東美濃攻略の際に長秀が調略した武将たちが、長秀を見込んで出仕しているのでほぼ譜代のようなものだ。


志村城攻撃の旗頭:丹羽長秀の手勢がどっと志村城に押し寄せ、八方からの突入により、守備軍は人手が足りず、人数不足で生じた死角から塀を乗り越えられてしまった。


************

https://17453.mitemin.net/i1139685/

挿絵(By みてみん)

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