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あの夜、僕達が授かったもの

作者:近代現代
最新エピソード掲載日:2026/08/09
怪異なんて、存在しない。

そう思っていた。

高校生の俺――悟は、幼馴染の佐々木杏奈とともに、廃部寸前のオカルト研究部でくだらない日々を過ごしていた。

怪異や超常現象に目がない杏奈と、それを半ば呆れながら聞き流す俺。

そんなある夜。

俺達は、怪異が出るという噂を確かめるため、夜の公園へ向かった。

そこで出会ったのは、一匹の黒い猫だった。

その猫は、俺達を見るなりこう言った。

――「ついてこい」

その瞬間から。

俺の知っていた世界は、少しずつ形を変えていく。

猫又。

呪い。

怪異。

そして、人間の言葉から生まれるもの。

やがて俺は、普通では見ることのできないものを視る「魔眼」を授かることになる。

一方、杏奈にもまた、俺とは異なる力が宿っていく。

怪異の姿を見る少年と、その声を聞く少女。

二人が踏み込んだのは、幽霊や妖怪がいるだけの世界ではなかった。

人が口にした言葉。

誰かが抱いた恐怖。

忘れられた想い。

それらが形を持ったものこそ――怪異だった。

これは、俺があの夜に「授かったもの」を巡る物語。

そして。

俺達がまだ知らない。

この世界の、本当の姿を知る物語だ。
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