第28話:素手で握り潰す合体黒炎と、魔王城正門の『門番投げ』突破!
俺は気分爽快で荷馬車の屋根の上へと飛び戻り、神格出力を維持するために、再び木箱から『極上ロイヤル・ミルクチョコレート』を十箱掴み取ってバリボリと箱ごと丸呑みにした。
疾走を続けた俺たちの銀の十輪荷馬車は、そのまま坂道を駆け上がり――ついに最終目的地である『魔王城の黒鉄の正門前広場』へと躍り出た!
「見えたぞ、ゴブ!! あれが魔王城の正門だ!!」
ハルトが前方を指差して叫んだ。
そこには、高さ三十メートルを超える巨大な黒曜石と黒鉄の城門がそびえ立っていた。
そしてその正門の前には、最後の壁として立ち塞がる『魔王城親衛隊』が布陣していた!
中央に立つのは、身長四メートル近い灼熱の巨体に巨大な戦斧を抱えた門番の長――『炎獄の守護将軍・バルログ(レベル55)』。
そしてその両脇には、漆黒のローブを纏った『二十人の魔王城・近衛魔導師団(レベル48)』がずらりと並び、それぞれの杖を高く掲げていたのだ!
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【種族:魔王城門番将軍『バルログ』――レベル:55】
【筋力:280/耐久:310/装備:黒炎の大戦斧】
【部下:近衛魔導師団20名(レベル48)】
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『そこまでだ、侵入者ども!!』
門番将軍バルログが大地を揺るがす咆哮を上げた。
『貴様らが街道の騎士団を破ったことは魔石の通信で聞いている! だが、この魔王城の正門は一歩たりとも通さん! 近衛魔導師団、20名全員の魔力を一つに束ねた【合体黒炎極大砲】で、あの銀色の大釜ごと跡形もなく蒸発させろおおおっ!!』
――ゴオオオオオオオオオオッ!!
二十人の近衛魔導師たちの杖の先から放たれた黒紫色の魔力が空中で一つに融合し、直径十メートルを超える『超巨大な黒い太陽のような火球』となって、俺たちの『20トンのミルクチョコレートを積んだ荷馬車』のど真ん中へと撃ち出された!
「あ、危ないゴブ!! あの巨大な魔法の火の玉が直撃したら、後ろのチョコレートタンクが爆発しちゃうよ!!」
ハルトが叫びながら、窓から超巨大長杖(対物ライフル)を連射して牽制する。
だが、俺の黄色い目は、迫りくる直径十メートルの黒い火球を見て、怒りと歓喜でギラリと輝いていた。
(な、なんだと……!? てめえら、俺様の大切な『20トンの温かい神の秘宝の大釜』を、黒魔法で蒸発させる気かァァァッ!? 俺様の秘宝を一滴でも焦がしてみろ、全員まとめてミンチにしてやるぞ!!)
《最高神権能【全物理・全魔法完全超越】および【黒魔法完全支配】が発動!!》
「ゴブァァァアアアアアアアッ!!(そんなちゃちな花火、この【ゴブリン・ゴッド】様が素手で握り潰してくれるわあああっ!!)」
俺は荷馬車の鼻先から空へと真正面に跳び上がり、迫りくる直径十メートルの【合体黒炎極大砲】のど真ん中へと、百三十五センチの小さな両手を突き出した!
――ズドォォォォォォォォンッ……パシュウウウウウッ!!
城門前の広場にいた二十人の近衛魔導師と将軍バルログの目が、頭蓋骨から飛び出さんばかりに見開かれた。
一撃で城壁すら消し炭にするはずの二十人分の合体黒魔法が、俺の緑色の小さな手のひらに触れた瞬間――まるで水の中に落とされた線香花火のように、俺の神の覇気によって文字通り『素手でキュッと握り潰されて』、跡形もなく掻き消えてしまったのだ!
俺は煤一つ付いていない両手をパンパンと払い、空中で愛用の『鉤爪付きの鉄の棍棒』を両手で大きく振りかぶった。
『ば……馬鹿なあああああっ!? 近衛魔導師20名の合体黒魔法を、素手で握り潰して消し去っただと!? あ、あれは本当にゴブリンなのか!?』
驚愕に凍りつく身長四メートルの門番将軍バルログ(レベル55)の目の前へと、俺は緑色の隕石となって急降下した!
「ゴブッ!! グガ、ゴブゴブ!!(おい門番のデカブツ、魔法が効かねえなら、お前自身でその後ろの扉をノックしてこいやあああっ!!)」
俺はバルログが振り上げた巨大な戦斧の下へ潜り込み、その丸太のような腹のベルトに『鉄の棍棒の曲がった鉤爪』をガツン!と引っ掛けると、『筋力999+』の神の剛力で身長四メートルの巨体を軽々と振り回し――後ろの二十人の魔導師たちを巻き込みながら、厚さ五メートルの『魔王城の黒鉄の正門』へ向かって砲丸投げのように豪快に投げ飛ばしてやった!
――ドガアアアアアアアアアアアアンッ!!!!
天地がひっくり返るような大轟音が轟き、飛んでいった将軍バルログの巨体が、決して破れないはずの魔王城の分厚い黒鉄の正門を内側から木っ端微塵に粉砕して吹き飛ばした!
《門番将軍『バルログ(Lv.55)』および近衛魔導師団20名を完全無力化しました!》
「す、すごいよゴブ!! 門番の将軍さんを投げて、魔王城の正門を一撃で開けちゃったぞ!!」
運転席のハルトが歓声を上げ、アクセルを全開にして、砕け散った正門の真ん中を十輪荷馬車でそのまま突破した!
俺たちの巨大な銀の十輪荷馬車は、魔王城の1階の中央大回廊を時速百キロで一直線に突き進み、行く手を阻む金の扉や赤い絨毯をタイヤで蹴散らしながら――ついに城の最奥にある巨大な『魔王の玉座の間』の黒曜石の両開き扉を、正面からドガアアアンッ!と突き破って広間のど真ん中へと突入した!
――キュウウウウウウウウッ……ガシャンッ!!
激しいタイヤの煙を上げながら、二十トンの銀の荷馬車が玉座の間のど真ん中で華麗に横滑りして停まる。
俺は荷馬車の鼻先の上で、真紅のミニマントと頭の上の黄金の光輪をキラキラと輝かせながら、木の箱から取り出した『極上ロイヤル・ミルクチョコレート』を一口でパクリと頬張り、口の端を獰猛に吊り上げた。
そして俺のすぐ下の窓からは、ハルトが『漆黒の超巨大魔導長杖(対物ライフル)』のボルトをガシャッ!と引いて薬室に弾を送り込み、凛々しい目で前方を見据えた。
俺たちの目の前、三十歩先の高い壇上。
骸骨と黒鉄で造られた巨大な玉座から、全身に黒紫色の禍々しい雷光と暗黒の闘気を纏った身長三メートルの威厳ある魔族の王――このエルドリアの絶対支配者【真の魔王・ヴァルガロス(レベル80)】が、怒りに満ちた深紅の瞳を光らせながらゆっくりと立ち上がった。
『――貴様らか。我が精鋭騎士団と門番将軍バルログを一蹴し、この玉座の間まで土足で乗り込んできた愚か者どもは!!』
魔王ヴァルガロスの放つレベル80の重苦しい覇気が、玉座の間の石柱をビリビリと震わせる。
だが、今の俺の魔力炉(胃袋)は最高級の神の秘宝で熱く燃え盛っており、隣には頼もしい黒魔導師の鞄持ちがいる!
俺は右手の『鉤爪付きの鉄の棍棒』を、壇上の魔王の鼻先へ向けてビシッと突きつけ、玉座の間が割れんばかりの宣戦布告の咆哮を上げた!
「ゴブゥゥゥゥゥーーーーーッ!! グガ、ゴブゴブゥゥゥゥゥーーーーーッ!!」
(ついに引きずり出してやったぞ、因縁の宿敵『魔王』よォォォ!! さっき沼地で腹ペコだった俺様を舐めてかかった報いを、腹いっぱいで無敵になったこの【ゴブリン・ゴッド】様と最強の鞄持ちが、今ここでてめえの体に骨の髄まで教え込んでやるぜええええっ!!)
「行くよ、ゴブ!! 僕たちの友情の力で、あの魔王を倒してこの世界に平和を取り戻すんだ!!」
こうして、気力も火力も最高潮に達した百三十五センチの『小鬼神』と、やる気満々の『重火器大魔導師の鞄持ち』は、ついにエルドリア最強の魔王との最終決戦の火蓋を切って落としたのだった――!




