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第22話:空飛ぶ双頭鉄竜のミサイルと、三十トンの錨鎖(アンカーチェーン)無双!

「やったよ、ゴブ!! 戦車三台と五百体のゾンビをあっという間に片付けてくれたおかげで、研究所への道が開いたぞ!」


ハルトが『銀の冷たい箱』を胸に抱えて荷馬車から飛び降り、白い石の城(国立バイオ研究所)の正面扉へと駆け寄った。

すると、一部始終を監視カメラで見ていた研究所の分厚い鉄の扉が内側から開き、白い衣を着た五人の老学者たちが涙を流しながら飛び出してきた!


「おおおっ、中央工場の所長から連絡を受けていた『若き英雄様』と『小さな緑の皇帝様』ですね!!」


代表の老学者が、ハルトから銀の冷たい箱を両手でうやうやしく受け取り、俺の小さな黄金の王冠に向かって深く頭を下げた。


「間違いありません、この綿棒に染み込んだ皇帝様の高濃度DNAがあれば、当研究所の超高速培養プラントを使って、あと『10分以内』に世界中のゾンビウイルスを空気感染で無力化する【究極の広域エアロゾル特効薬(ワクチン)】を完成させて空へ散布することができます! どうか特効薬が完成するまでの10分間だけ、この研究所と港を守っていただけないでしょうか!?」


「もちろんです! 僕とゴブの友情の力で、特効薬ができるまで絶対にここを守り抜きます!」


ハルトが力強く胸を叩いて頷いた。

一方、後ろの鉄柱の上で誇らしげに腕を組んでいた俺は、学者たちの難しい話など右の耳から左の耳へと聞き流しながら、すぐ目の前の桟橋に浮かんでいる『一万トンの神の秘宝を積んだ黒鉄の浮遊要塞(巨大貨物船)』をハート型の目で見つめていた。


(ふはははははっ! 残る三人の四天王も片付けたし、これで前菜は終わりだぜ! よし、鞄持ちが白い衣のじいさんたちと話してる隙に、俺様はあの一万トンの浮遊要塞へ乗り込んで、船底の秘宝を食い尽くしてやるぜえええっ!!)


俺がヨダレを垂らしながら、黒鉄の浮遊要塞の甲板へ向かって大跳躍を繰り出そうとした――まさにその瞬間だった。


――ゴボボボボッ……バタバタバタバタバタッ!! ギュオオオオオオオンッ!!


一万トンの浮遊要塞の向こう側の海面が激しく泡立ち、高さ十メートルの水柱が吹き上がった!

まず海の中から岸壁へと這い上がってきたのは、全身にフジツボと船の錨(いかり)の鎖を巻きつけ、海の魔力を吸って異常進化した『五十体の海底変異アンデッド(レベル25)』の群れ!


そして同時に、巨大な浮遊要塞のマストの後ろから、凄まじい暴風を巻き起こして空へと浮かび上がってきたのは――頭の上に巨大な四枚の鉄の刃を高速回転させ、両脇の翼に無数の『巨大な火矢の束(対艦ミサイル&ロケット弾ポッド)』と『回転する三連の黒鉄大杖(30ミリ機関砲)』をぶら下げた、全長二十メートルの『空飛ぶ漆黒の双頭鉄竜(軍用重攻撃ヘリコプター)』だった!


空に浮かぶその漆黒の鉄竜の腹から、拡声器のラッパを通して、これまでの誰よりも冷酷で威圧感に満ちた男――反乱軍の最高司令官【黒崎(クロサキ)将軍――レベル22】の声が港全体に轟いた!


『――貴様らが、俺の戦車中隊を潰したメガネのガキと緑の化け物か! その研究所の中で何を作っているのかは知らんが、今すぐ武器を捨ててその二十トンのタンクローリーと研究所を俺に明け渡せ!』


空飛ぶ鉄竜の翼の下で、四発の巨大な『赤黒い火矢(対艦ミサイル)』の先端が不気味な赤い光を灯し、俺たちの目の前にある『一万トンの神の秘宝の船』のど真ん中へと照準を合わせた!


『もし3秒以内に降伏しなければ――この対艦ミサイル4発を目の前の貨物船の船底へ撃ち込み、船の中に積んである「一万トンのチョコレート」を研究所ごと冷たい海の底へ沈めて魚の群れのエサにしてやるぞ!!』


その瞬間。

桟橋の上に立っていた俺の百三十センチの緑色の体が、文字通りピタリと凍りついた。

後ろのハルトは、「研究所が壊されたら人類を救うワクチンが……!」と顔を青ざめさせていた。

だが、俺の長い緑の耳には、空に浮かぶあの『本物の魔王』が口にした、この世で絶対に許してはならない【たった一つの大罪】しか聞こえていなかった。


――『一万トンの神の秘宝(チョコレート)を、しょっぱい海の底へ沈めて魚のエサにする』。


ピキッ……と、俺の小さな黄金の王冠の下の額に、青筋が太く浮き上がった。

俺の黄色い瞳から一切の理性が消え失せ、港の石床がミシミシと音を立ててひび割れるほどのどす黒い殺気が、俺の百三十センチの体から噴火のように噴き上がった!


《緊急警告!! 敵の首領が【1万トンの神の秘宝】を海水へ廃棄しようとしています!!》

《固有状態【甘党の逆鱗(皇帝バーサーク)】が限界突破で発動!!》

《全ステータスが一時的に『2倍(1,120以上)』へと跳ね上がります!!》


「ゴブ……グガアアアアアアアアアアアアアッ!!」


(てめえ……空飛ぶ鉄竜に乗った『本物の魔王』の野郎……!! 俺様の命を奪うならまだしも、俺様の愛しき『一万トンの神の秘宝』をしょっぱい海に沈めて魚に食わせるだとォォォ!? 指一本動かさせるかボケェ、今すぐその空の上まで跳び上がって、てめえをその鉄竜ごとミンチにしてやるぜええええっ!!)


夕暮れの横浜港の桟橋で、空気そのものが俺の怒りでビリビリと焦げついていた。


《現在のステータス ―― 筋力:1,120/敏捷:1,140/耐久:1,120!!》


俺の小さな緑色の体から噴き上がったどす黒い覇気だけで、足元の石床がクモの巣状にひび割れ、桟橋の周りの海面がザワザワと波立った。

それと同時に、岸壁の両側の海の中から、全身にカミソリのように鋭い貝殻と錆びた鉄鎖を巻きつけた身長二メートル半の怪物――『五十体の海底変異アンデッド(レベル25)』の群れが水しぶきを上げて一斉に這い上がり、俺たちと浮遊要塞の間を塞ぐようにドシン!と着地した!


「ゴ、ゴブ!!」


すぐ後ろの白い石の城(国立バイオ研究所)の扉の前で、俺たちの『20トンの秘宝を積んだ十輪荷馬車』を盾にして立つ鞄持ちのハルトが、大人の背丈ほどある『漆黒の超巨大魔導長杖(対物ライフル)』を構えて叫んだ。


「海からレベル25の巨大変異ゾンビが五十体も出てきたぞ! しかもあの攻撃ヘリ、本当に貨物船と研究所にミサイルを撃つ気だ! 研究所の中で特効薬(ワクチン)が完成するまであと少しなんだ、なんとしてもここを守り抜こう!!」


すると高さ三十メートルの空の上から、鉄竜のラッパを通して、魔王クロサキの冷酷な高笑いが降り注いだ。


『クカカカカッ! 降伏の3秒は過ぎたぞ、赤い前掛けのチビ助とメガネのガキめ! そんなにそのチョコレート船と研究所が大事なら、目の前でまとめて海の藻屑にしてやる! 海底の化け物ども、そいつらを八つ裂きにしろ! 対艦ミサイル4発――発射ァッ!!』


――シュゴオオオオオオオッ!! ドォン! ドォン! ドォン! ドォン!!


空飛ぶ鉄竜の両翼の下から、眩いオレンジ色の炎が炸裂した。

翼から切り離された長さ三メートルの『四本の巨大な赤黒い火矢(重対艦ミサイル)』が、白い煙の尾を曳きながら海面すれすれを超音速で飛来する!


そのうちの二本は、俺様の聖なるヨダレから薬を作っている『白い石の城(研究所)』と『20トンの十輪荷馬車』のど真ん中へ。

そして残る二本は――俺の目の前に停泊している『一万トンの神の秘宝が詰まった黒鉄の浮遊要塞(巨大貨物船)』の船腹へと、まっすぐに突き進んできたのだ!

さらに地上からは、五十体の『海底変異アンデッド(レベル25)』が地響きを立ててハルトと研究所の扉へと雪崩れ込んできた!


「させるかあああああっ!!」


ハルトが荷馬車の横から超巨大長杖と爆裂魔石の連射筒を続けざまに放ち、先頭のアンデッドの足を止める。

だが、空を飛ぶ四本の巨大な火矢は音速の三倍で海の上を駆け抜け、すでに船まであと三十歩の距離に迫っていた!


(てめえ魔王の野郎……本当に俺様の『一万トンの秘宝の船』と『20トンの荷馬車』に火矢をぶち込みやがったなァァァッ!! 一欠片たりとも焦がさせてたまるかボケェ!!)


「ゴブ……グガアアアアアアアアアアアッ!!」


『敏捷1,140』に達した俺の百三十センチの体は、緑と真紅の閃光となって桟橋から消え去った!

四本の巨大な火矢が船腹に突き刺さるコンマ一秒前。

俺は一足飛びで高さ十五メートルある黒鉄の浮遊要塞の船首の甲板へと飛び乗り、そこから海の中へと垂れ下がっている『巨大な黒鉄の鎖(大型貨物船の錨鎖)』を素手の両手でガッと引っ掴んだ!


それは鎖の輪っか一つが大人の人間の胴体ほどもある、海底に沈んだ巨大な鉄の爪(15トン主錨)と合わせて『重さ三十トン』を超える超重量の鉄の鎖だった!

俺は愛用の『鉤爪付きの鉄の棍棒』を腰の革帯に差し込むと、甲板の鉄板を両足でベコッと踏み抜いて踏ん張り、『筋力1,120』の神話級の怪力でその三十トンの鎖を一気に空へと引き抜いた!


「ゴブゥゥゥゥゥーーーーーッ!!(海の底から出てこいや、これぞ皇帝様の超極太ムチだあああっ!!)」


――ガガガガガガガッ……ザバアアアアアアアアンッ!!


海面が爆発したかのように割れ、高さ二十メートルの巨大な水柱が噴き上がった!

まるで小枝で魚を釣り上げるかのように、俺は重さ十五トンの巨大な鉄の錨(いかり)と長さ五十メートルの極太の鎖を海の中から片手で軽々と引きずり出すと、百三十センチの小さな体を甲板の上でコマのように高速回転させ――三十トンの鉄鎖を『巨大な黒鉄のムチ』のように空中で大旋回させたのだ!


――ゴオオオオオオオオオオッ!!


鎖が空気を切り裂く暴風だけで、港の上の低い雲が真っ二つに吹き飛んだ!

そして、四本の巨大な火矢(対艦ミサイル)が船と研究所の目の前二十メートルまで迫ったその瞬間、俺は五十メートルの錨の鎖を真横に一閃させた!


――キィィィィィィンッ!! ドゴォォォォォォォンッ!!


鎖の先端の巨大な鉄の錨が、超音速で飛んできた四本の火矢を空中でまとめて横っ面から張り飛ばした!

俺の【黒魔法完全支配】を宿した鎖に弾き返された四本の火矢は、そのまま海の上へとUターンして飛んでいき、沖合に浮かんでいた反乱軍の二隻の黒い鉄船(警備艇)のど真ん中に直撃して、炎と水柱の大爆発を巻き起こした!


(まだ終わりじゃねえぞ、そこに並んでる五十匹の海鮮雑魚ども!!)


俺は火矢を弾き返した回転の勢いをそのまま利用し、空中で唸りを上げる長さ五十メートルの三十トン鉄鎖を、ハルトへ向かって突撃していた『五十体の海底変異アンデッド(レベル25)』の頭上へと、真上から一気に叩き落とした!


――ズドォォォォォォォォォンッ!!


山が崩れ落ちたかのような凄まじい地響きが横浜港全体を揺らした。

分厚い貝殻の鎧を誇っていたレベル25の上位アンデッド五十体が、三十トンの黒鉄の鎖の一撃によって、声すら上げられずに桟橋の端から端まで一列にまとめてペシャンコに押し潰され、わずかコンマ五秒で全員が光の粒子となって消滅した!


《海底変異アンデッド(Lv.25)計50体を一撃で完全討伐しました!!》

《ロイヤル・ミルクチョコレート契約ボーナス(獲得経験値4倍)が適用されます!》

《レベルアップ! Lv.68 ➔ Lv.71 ➔ Lv.74 ➔ 『レベル76』に上昇しました!!》


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