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~さようならロン、またあう日まで~ (中学校編)  作者: 湖灯


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   ~卒部会は山小屋で2~

 次の日学校へ行くと朝練のときに江角くんが「山小屋じゃないけれど、山の上のキャンプ場に決まったから」と、卒部会のことを私に教えてくれた。


『山小屋じゃないけれど』と言う言葉を外さなかったが江角くんらしくておかしい。

 こうして普通に話しかけてくれる江角くんに対して、私は告白されてから少し距離をとっているくせに会うたびにドキドキしてしまっている自分がなんだか損をしている気分になる。

 そもそも、あんなことを本当に江角くんが私に言ったことさえ今となっては疑問に思えてくる。


「江角!おやつは何円分OK?バナナはおやつに入るの?」

 お調子者の伊藤くんが、すぐ茶化しにきた。


「学校行事じゃないから、おやつは常識の範囲で構わないけれど、バナナはおやつには入れないので好きなだけ持ってきていいぞ」

 茶化されたのに江角くんは真面目にこたえたあと、学校行事じゃないけど一応部活動として行くんだからゲームやおもちゃ、ペットの類は持ち込み禁止だろうなと言ったのでロンといっしょに山小屋で過ごす私の夢はついえたかに思えた。



 翌週の月曜日の放課後には三年生部員も呼び出されて、卒部会に関して今川部長から正式な発表があった。

 今年の卒部会がキャンプ場で行われることが発表されると、音楽室に集まったみんなから歓声があがった。

 卒部会の決行日は従来の卒業式の前の週末ではなく、卒業式のあとの春休み。

 場所は相模原市緑区にあるキャンプ場。

 貸し切りっていうわけにはいかなかったけれど、今現在ほかの利用者の予約が入っていないということで、今後予約をされるお客さんには当日の夜に中学校の吹奏楽部が演奏会を行うことを伝えるので演奏に関しては羽目を外さない限り実施できることが伝えられ、みんなから一斉に歓声が上がった。


 当日は全体曲のほかにも各自ソロ演奏かアンサンブルを実施するので、各自練習してくることが伝えられた。


 最後に持田先生から、今現在予約は入っていなくて、今後予約を入れてくる一般の利用者には我が校が演奏合宿として使用する旨は管理人さんから伝えてくれるけど、一般の利用者がいてもいなくても十分に節度のある行動を心がけるようにと注意されたのちとても素晴らしいことが発表された。


 それは卒業式を終えたとはいえ三年生はまだ学籍は中学校にあるので、行動は常に慎重に節度を持った行動を心がけることを注意された。


「それでは、なにか質問のある方はいませんか?」

 書記をしていた宮崎くんが、全体を見渡して聞く。


「顧問の持田先生も来てくれますか?」

「みんなが嫌だと言わない限り、参加させてもらうつもりだが、いいかな?」


「いいでーす」

 みんなが声をそろえて言うと、持田先生は少しもじもじしながら「実は、僕のほかに一般参加で家族もいっしょさせてもらえればありがたいのだが……」と言った。


「いいんじゃないですか」

「先生の奥さんって美人だってうかがっていますけれど本当ですか?」

「そういえばお子さん、まだ四歳くらいでしたよね」

「ヒューヒュー熱々~!」

 などと、みんなが口々に勝手なことばかり言い出した。


「一般の人については、我々吹奏楽部が口を出すところではないので好きにしてください」と、江角くんが言うと「家族の一般参加もありですか?」と言う意見が出た。


「もちろん家族もOKです。日ごろ僕たちを支えてくれているのだからフリー参観のつもりで来てください」


「ペットはOKスか~」

 ここで伊藤くんが質問をした。


「この施設はペット同伴可能です。ただし、部としてペットを連れて行くことは禁止しますが、家族や別の一般参加者については断る権限はありません」


 一般参加ならペット連れて行ってもいいんだ!と、私は伊藤くんがしてくれた質問に感謝した。

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