表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
~さようならロン、またあう日まで~ (中学校編)  作者: 湖灯


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
11/52

   ~吹奏楽部1~

 中学に入り、その日は体育館で部活動の紹介があった。


 軟式野球部にサッカー、テニス、バレーボールに柔道・剣道や卓球、バドミントンにソフトボールに陸上などオリンピックや世界大会もあるメジャーなスポーツ系もあれば、書道、美術、文芸、吹奏楽、合唱、園芸といった文化系などたくさんあった。


 体育館に集まった私たち一年生は、どの部に入るか目をきらきらさせながら、お目当ての部活の先輩たちが話す内容をわくわくしながら聞いていた。


 特にスポーツ部は「県大会ベスト4」とか「全国大会出場」とかの実績がある部には、心をひかれる目標がある。


 私は鼓笛隊をやっていたけど、大きな催しはあったけど、優劣をつける大会の経験はなかったからピンとこない。


 いよいよ私のお目当ての吹奏楽部の番になり、部長さんらしき人が出てきて昨年一昨年と2年連続で相模原市大会銀賞だったので、今年こそ新一年生と共にがんばって金賞を取って県大会に行きましょう!と言ってくれた。


「すごい!」

 私は感動して思わず拍手した。

 でもなぜか、拍手したのは私が最初で、私の拍手につられてパラパラとなんかやる気のない拍手がまばらにあっただけだった。


 二年連続して市大会銀メダルってことは、相模原市大会で二位になったことだと思っていると隣のクラスの男子が、参加した学校は金銀銅の三つの賞のどれかに選ばれるのでオリンピックの銀メダルのように二位を示すものではないと教えてくれた。


 さらに一年生といっしょにといっても中学校の吹奏楽部は、ほとんど年功序列だから一年生が選ばれる確率はほぼないのだと、なぜか冷ややかに言った。


 大会の仕組みは、ぜんぜん知らなかったけれど、年功序列は小学校のときと同じなのだから、そんなことを言われても私はなんとも思わなかった。


 放課後は別のクラスになってしまった美緒と待ち合わせて、いっしょに吹奏楽部に向かった。

 目的は、見学ではなくて、ずばり入部!

 吹奏楽部の練習場は別棟の三階にある音楽室だったので、階段を上っていると後ろから走ってきた男子に「おーい」と声をかけられて振り向いた。


 声をかけてきたのは伊藤くんと甲本くん。


「どうしたの?」

 足を止めて私たちは、振り向くと伊藤くんは「ちょっといい?」と言って階段の隅を通って私たちより一段高いところまで進んで止まった。


 美緒がその様子を見て「お前ら私たちより背が高いんだから、話があるなら下の段か、せめて同じ段で話しなさいよ」と不満をあらわにした。


 美緒の言葉に伊藤くんは「話なんてないよ」と言い、私たちがきょとんとしている間に階段を二段飛ばしに登り「お先!」と言って廊下を走り出した。

 甲本くんなんて「マジ、引っかかってやがる」なんて悪態をついて私たちをからかった。


「くっそ! はめられた!」

 美緒がそう言って走りだし、私もなんだか可笑しくて逃げる伊藤くんと甲本くん追いかける。


 廊下の後ろから「こら、廊下を走ってはいかん!」と大きな声がして、足を止めて振り返ると、そこには頭のうすい教頭先生がいた。


 私たちはぺこりとお辞儀をして、走るのを止めて歩いて音楽室へと向かった。

   登場人物の紹介

挿絵(By みてみん)

   甲本新治

   担当 パーカッション

     (ドラムが得意)

   無口で一見悪そうに見えるが、周りが思うほど悪くはない。

   勉強は苦手だが誠実な性格。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ