13話 お客さんが来るの?
本日で最終回です!
今回の怪談を投稿してくださった黒鋼 朝陽さん。そして、今まで怪談を下さった方々。そして、とても『暑い』とはいえない10月になるまで読んでくださった読者のみなさん。
本当にありがとうございました!!
まだ、私が三、四歳だった頃の出来事です。
当時、私はピアノを習い始めたばかりでした。買って貰ったばかりの電子ピアノを使って練習していたのを覚えています。
その電子ピアノを使って練習している最中の出来事です。2階に置いてある電子ピアノの前で練習していると、いつも…ギィ…ギィ…と階段を誰かが上がってくるような音がするのです。誰だろうと思い、階段の上から覗いてみます。ですが、誰もいません。
練習が終わってから母に、
「今日、誰かお客さん来るの?」
と聞いても「誰も来ない」といつも言われていました。変だなと思いつつ、気にしないように心掛けていたのを覚えています。
――そんなある日の夜――
いつも父に
「十二時までに寝ないと、お化けが出るぞ~!」
と言われて12時までに寝ていたのですが、その日だけは違いました。どうしても絵を描いていたくて、12時過ぎまで起きていたのです。父は私が寝るまで、ずっと2階のリビングで待ってくれていました。しばらくして、絵を描き終わった私は満足して、父と一緒に3階にある寝室へ向かいました。普段慣れない時間まで起きていたせいでしょう。布団に入った瞬間、ぐっすりと眠りに落ちてしまいました。
ふと、私は目が覚めました。
周りをキョロキョロと見回しましたが、隣の父と母はまだ眠っています。もう一度眠ろうと思って目を閉じても、なかなか眠れそうにありません。仕方ないので、しばらくの間起きていることにしました。布団の中に潜ったまま、天井を見上げていた時です。
突然、それは起こりました。
天井の中心の辺りについている電灯から、たくさん『人の形をしたナニカ』が物凄い勢いで出てきたのです。私が呆気にとられているうちに、そのまま『ナニカ』は網戸を張っている窓へ飛び出していきました。
今のは何だったのか…そう考えていると、電灯からアニメのお化けのようなモノが出てきました。にょきっと出てきたソレは、私の腕を引っ張ります。まるで、どこかへ連れて行こうとするかのように。
私は嫌がって、それを払いのけます。すると、お化けはニタァッとした凶悪な笑みを浮かべました。そして、先程のナニカの後に続くように外へ出て行きました。
私は怖くなり、必死で目を瞑ります。……そのまま深い眠りへと落ちました。
朝起きたとき、私は隣に寝ていた母と父に全てを話しました。ですが、2人共信じてくれませんでした。『夢でも見たんだろう』といいながら、母と父はリビングのある2階へと降りていきました。
あれから十年経ちました。
アレが起こった3年後に神奈川に引っ越し、さらに3年後に再びこの家に戻ってきました。
例の電灯ですが、1,2年前に天井から床に落ちるという不可解な壊れ方をしました。地震も何も起こっていない普通の日に、ガチャンと音を立てて落ちたのです。
それに呼応するかのように、あの階段を上がるような足音が…ピアノを練習している最中でなくとも聞こえています。
家に私が一人の時だけ……ですけど。




