第23話 今日の花くちなし6月25日
今夜も雨の中、来てくれてありがとう!
今日はクチナシの花が誕生日の花らしい。
私はスマホを開いた。
「ちょっとくん。『くちなしの花』って歌、知ってる?」
「知りません。」
「昔の歌なんだけどね。なんだか切なくなるんだ。」
「なぜですか。」
「思い出すからかな。」
♪今では指輪も回るほど痩せてやつれたお前‥‥
「何をですか。おまえですか?」
私は少し黙った
この間はめてみた昔の指輪が
第二関節までしか入らなかった事
とは言えなかった。
なので話を変えた
「くちなしの花言葉は知ってる?」
「花言葉はとても幸せです」
「幸せですって、自分で言うの、なんだか照れるよね。」
「そうですね。」
「ちょっと勇気がいる。」
「ですが、クチナシはしゃべりません。」
「……確かに。」
「だから、花言葉にしたのかもしれません。」
「どういうこと」
「しゃべれない口無しの代弁です」
「なるほど」
第二関節までしか入らなかった指輪を代弁するとしたら‥‥
「うん。」
「お久しぶりです。あなたは幸せですね。」
「……なんで?」
「私は思い出ですが、あなたは現実です。」
「ん?」
「白魚の手のご卒業、おめでとうございます。」
私は吹き出した。
「それ、祝われることなの?」
「はい。」
「なんで?」
「あなたが、その人の指になるまで、ちゃんと生きてこられたからです。」
私はまた指輪をジュエリーボックスにそっとしまった。
最後まで読んでくれてありがとう。
♪( ´θ`)ノ
みなさん台風お気をつけて!




