表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/33

23

 マックでのいい争いからの日々は、あきれるほどに早かった。

 とんとん拍子に試合の日どりが決まったのだ。

 どうやらミツオとヒトシの両者が、それぞれの学校にかけあったらしい。

 どちらの学校でも近々大きな試合がないということで、各学校のボクシング部顧問はふたつ返事で生徒発の練習試合にオーケーを出した。そのうえミツオなんて「まじめに部のことを考えてる」なんていわれて、先生がたからべたべたにほめられたらしい。

 高校の部活はいいかげんなもので、生徒側のやる気にすべてをまかせてくれているようだ(たとえそれがどんな方向のものだとしても)。

 ふたりの試合は二週間後の土曜日。夏休みにはいる直前の日どりに決まった。

 ちなみに会場は前回の練習試合と同じ。あたしたちの通う学校の体育館である。

「しゃあああっ」

 ヒトシとの試合が決まって、ミツオは気合いじゅうぶんだ。日に何度も、わけもなく吠えている。たまに授業中も寝ぼけて吠えるもんだから、あぶなっかしくてしょうがない。そのうち暑さでとうとう頭がいかれちゃったんじゃないかなんてうわさが、学校中で流れ出すしまつ。

 七月も第一週をすぎて、日に日に暑くなってくる。

 天気予報ではいつのまにか梅雨明けが宣言され、季節はすっかりもう夏だ。

 あれほど長くしつこかった雨が一転して、連日ピーカン。今度は政府が本気で水不足を心配しだしてる。

 ミツオは連日三十度ごえの真夏日のなか、ジャージのうえにサウナスーツを着こんで練習にはげんでいる。

 ヒトシもきっと同じような練習を自分の学校でしているんだろう。

「ヒトシと戦えるっていうだけあって、さすがにすごいね。あいつの念願だったからね。めちゃ気合い入ってる」

 帰り道の体育館をのぞきながらシホがいう。

「ほんとだね。今までもかなり本気でトレーニングしてたけど、試合が決まってからはさらに数段まじめになった」

「へえ……」

 なにげないあたしの台詞に、シホはひどく感心している。熱心に練習をする体育館のミツオと、横に立ってそんな風景を眺めているあたしを交互に見ては、まじめにいう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ