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亀の瀬異聞録  作者: こうた
第八章「呪われた記録」

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第二話「死を記録する日記」

ゴーン……



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ゴーン……



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ゴーン……



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鐘の音が夜の屋敷に響く。



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真之介は記録帳を閉じた。



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だが。



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閉じても文字は消えない。



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脳裏に焼き付いている。



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『藤富真之介』



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『大正元年』



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『死亡』



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「冗談じゃない……」



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綾乃が帳面を調べる。



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紙。



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墨。



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装丁。



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どれも普通だった。



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しかし。



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普通ではない。



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「文字が増えている」



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綾乃の声。



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全員が見る。



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先ほどは一行だった。



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しかし今は違う。



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『藤富真之介』



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『大正元年』



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『七月二十三日』



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日付が増えている。



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「勝手に書き換わっている……」



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宗一郎が顔を曇らせる。



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「黒帳だ」



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「間違いない」



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榊原が重い口を開く。



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「昔も同じでした」



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「名前を書かれた者は」



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「必ず死んだ」



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咲が震える。



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「助からないの?」



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榊原は答えない。



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その沈黙が答えだった。



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翌朝。



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帝都。



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新聞社。



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相馬誠二は机に向かっていた。



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徹夜だった。



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目の前には資料。



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失踪事件。



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怪死事件。



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変死体。



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全てに共通点。



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黒い文字。



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「偶然じゃない」



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相馬は呟く。



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「誰かが隠している」



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机の引き出し。



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そこには一冊の日記。



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古びた革表紙。



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昨日。



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失踪した男の家で見つけたもの。



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警察に渡す前に調べていた。



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日記を開く。



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最初のページ。



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普通の日記。



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二ページ。



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三ページ。



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異常なし。



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しかし。



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最後のページ。



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文字が増えている。



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昨日は空白だった。



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今は違う。



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『相馬誠二』



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相馬の呼吸が止まる。



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「何だ……」



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ページをめくる。



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次の行。



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『真実を知ろうとした』



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さらに。



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『だから記録する』



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その瞬間。



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部屋の温度が下がった。



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誰かがいる。



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背後。



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相馬が振り返る。



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誰もいない。



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だが。



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窓ガラス。



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そこに映っていた。



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黒い人影。



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顔がない。



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ただ。



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黒い墨で塗り潰されたような姿。



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「誰だ!」



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影は動かない。



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そして。



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窓に文字が浮かぶ。



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『続きを書こう』



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相馬は椅子を倒しながら後退する。



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しかし。



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文字は増える。



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壁。



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床。



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天井。



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全てが黒い文字で埋まっていく。



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『相馬誠二』



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『記録開始』



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同じ頃。



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帝国大学。



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桐生真琴は眠れていなかった。



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昨夜から。



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どこを見ても文字が見える。



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本棚。



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机。



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窓。



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全てに黒い文字。



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「おかしい……」



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彼女は必死に資料を読む。



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そして。



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古文書の中に。



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ある記述を見つける。



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『黒帳とは人を殺すものではない』



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真琴は目を見開く。



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続き。



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『黒帳とは』



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『存在を固定するもの』



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固定。



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意味が分からない。



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しかし。



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その次の文章で凍り付く。



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『死ぬと記された者は死ぬ』



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『狂うと記された者は狂う』



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『存在しないと記された者は』



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『最初から存在しなかったことになる』



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真琴は本を落とした。



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それは死より恐ろしい。



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記憶。



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記録。



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歴史。



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全てから消える。



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その時。



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本のページが勝手にめくれた。



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最後のページ。



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そこには。



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一行だけ。



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『桐生真琴』



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真琴の顔色が消える。



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一方。



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藤富家。



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真之介たちは動き始めていた。



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黒帳の正体。



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名前を書かれた者。



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相馬誠二。



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全てが繋がる。



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「会いに行くぞ」



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真之介が立ち上がる。



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「誰に」



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綾乃が聞く。



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真之介は答える。



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「最初に記録された男に」



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しかし。



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誰も知らない。



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その頃。



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相馬誠二の部屋では。



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日記が勝手に書き進められていた。



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『相馬誠二』



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『真実を知る』



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『そして』



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墨がゆっくり広がる。



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『消える』



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第八章 第二話


「死を記録する日記」




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次の第三話 **「消えた新聞記者」**では、


相馬誠二失踪


黒帳の使者初登場


真之介と桐生真琴の初対面


「存在を消される恐怖」



が本格的に始まります。

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