第十話(最終話)「返されなかったもの」
泣いている。
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何千もの怪異が。
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男の背後で。
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静かに。
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ただ泣いていた。
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真之介は動けなかった。
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今まで見てきた怪異とは違う。
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憎しみではない。
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怒りでもない。
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喪失。
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それだけだった。
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「お前は……」
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真之介が問う。
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「何者なんだ」
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男は少し考えた。
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そして。
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困ったように笑う。
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「だから忘れたと言っただろう」
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「名前を消された」
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「記録も消された」
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「だから」
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「私は私を思い出せない」
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管理者が前へ出る。
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『やめろ』
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『それ以上話すな』
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男は管理者を見る。
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そして。
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どこか寂しそうに言った。
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「まだ守るのか」
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『役目だ』
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「違う」
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男は首を振った。
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「恐れているだけだ」
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沈黙。
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その沈黙が。
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何より雄弁だった。
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真之介は気付く。
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管理者は。
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この男を封じていたのではない。
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隠していた。
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「なぜ」
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真之介が聞く。
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「なぜ消された」
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男は怪異たちを見る。
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泣き続ける存在たち。
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そして。
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静かに答えた。
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「人間が耐えられなかったからだ」
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「何に」
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「後悔に」
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空気が重くなる。
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「第十一は返す石だった」
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「失った記憶」
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「捨てた感情」
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「忘れた罪」
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「全部返す」
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真之介は理解した。
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だから。
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人間は恐れた。
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忘れたくて捨てたものを。
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再び抱えることを。
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「だから封印した」
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男は頷く。
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「そして」
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「歴史から消した」
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咲が涙を流していた。
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怪異たちを見ている。
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彼女には分かってしまった。
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彼らは。
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怪物ではない。
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忘れられた人々だ。
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その時。
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外から朝日が差し込んだ。
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長い夜が終わる。
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怪異たちは空を見上げる。
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誰も暴れない。
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誰も叫ばない。
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ただ。
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静かだった。
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男はゆっくり振り返る。
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怪異たちに向かって。
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「聞いただろう」
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「人間はまだ思い出せないらしい」
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その声に。
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怪異たちは動き出す。
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去っていく。
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一体。
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また一体。
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朝日に溶けるように。
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消えていく。
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最後に残ったのは。
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静寂だけだった。
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「終わったのか」
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宗一郎が呟く。
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男は答えなかった。
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代わりに。
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真之介を見る。
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「一つ忠告しておこう」
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「これで終わりではない」
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「どういう意味だ」
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男は空を見上げた。
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「人間は忘れる」
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「だから同じことを繰り返す」
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「そして」
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ここで初めて。
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男の表情が曇る。
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「今度は私ではない」
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「何だ」
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「次に来るのは」
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男は小さく呟いた。
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「裁く者だ」
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その瞬間。
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遠くの空。
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黒い雲のようなものが見えた。
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しかし。
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雲ではない。
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文字だった。
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黒い文字。
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空に浮かぶ無数の文字。
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罪。
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憎。
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恨。
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怒。
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そして。
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一文字。
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帳
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管理者の顔色が変わる。
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「まさか……」
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榊原が震える。
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宗一郎も言葉を失う。
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男は静かに笑った。
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「来たな」
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空を覆う黒い文字。
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それは。
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後に。
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黒帳
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と呼ばれる存在だった。
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男の身体が少しずつ薄れていく。
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「待て!」
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真之介が叫ぶ。
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「お前の名前は!」
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男は振り返る。
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そして。
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少しだけ考えて。
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笑った。
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「思い出したら教えてやる」
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その言葉を最後に。
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男は消えた。
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朝日だけが残る。
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しかし。
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誰も安心していなかった。
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怪異たちは去った。
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だが。
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もっと危険な何かが。
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今。
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動き始めたのだから。
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第七章
「失われた三つの石」
完
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第七章で判明したこと
怪異は忘れられた記憶や感情の集合体だった
藤富家は「守る側」であると同時に「隠した側」でもあった
第十一は「記憶を返す石」だった
第十一を管理していた存在は歴史から消された
三つの失われた石の真相はまだ不明
黒帳が動き始めた
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そして第八章 **「呪われた記録」**では、
黒帳によって「記録そのものが呪いになる時代」が始まります。




