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亀の瀬異聞録  作者: こうた
第六章 九番目の神

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第八話「戦う理由」

「戦う」



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その言葉が。



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真之介自身の中で響いた。



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今まで。



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彼は戦うという言葉を避けていた。



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怪異を消す。



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封印する。



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倒す。



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それは簡単な答えに思えたからだ。



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しかし。



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今、目の前にいる存在は。



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憎しみから生まれたものではない。



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誰かの願い。



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誰かの悲しみ。



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誰かを失いたくないという想い。



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それが形になったもの。



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だからこそ。



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戦う理由が必要だった。



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「なぜ戦う」



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黒い武者が問う。



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「お前は以前、理解すると言った」



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真之介は山を見る。



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消えかけた村。



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動きを止めた人々。



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そして。



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第九の奥にいる何か。



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「理解する」



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「だから止める」



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「間違いを」



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武者は黙った。



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その時。



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景継が近づいてくる。



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「お前は私と同じだ」



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真之介は振り返る。



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「違う」



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景継は首を振る。



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「いや」



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「大切なものを守ろうとしている」



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「失うことを恐れている」



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「私と同じだ」



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その言葉。



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真之介の心を揺らした。



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否定できない。



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美月。



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蓮。



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生徒たち。



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もし。



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失ったら。



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自分は平気でいられるのか。



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分からない。



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「でも」



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真之介は言う。



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「だからこそ」



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「永遠なんて選ばない」



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景継を見る。



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「大切だから」



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「終わりがある時間を守る」



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景継は目を伏せた。



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かつて。



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自分が聞きたかった答え。



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しかし。



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認められなかった答え。



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その時。



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世界の色が変わった。



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空。



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地面。



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全てが白くなる。



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音が消える。



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風が止まる。



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時間そのものが。



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ゆっくりになる。



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「……」



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真之介は手を見る。



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動かない。



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いや。



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動いている。



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しかし。



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一秒が。



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異常に長い。



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『保存開始』



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声。



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世界を記録する存在。



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『変化を停止する』



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『苦痛を停止する』



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『死を停止する』



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真之介は歩こうとする。



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足が重い。



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まるで。



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世界そのものが。



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止まれと言っている。



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「これが……」



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「時間の固定」



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すると。



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一人だけ動いた。



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少女。



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先ほどの少女。



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真之介を見る。



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「先生」



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「どうして動ける」



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少女は分からない。



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真之介も分からない。



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しかし。



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一つだけ。



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違いがあった。



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彼女は。



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完全な記録ではなかった。



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迷い。



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恐怖。



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願い。



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感情。



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まだ変化していた。



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だから。



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止まらなかった。



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「そういうことか」



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真之介は気付く。



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この存在は。



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完成されたものだけを残そうとしている。



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しかし。



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人間は未完成だから生きている。



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「聞こえるか」



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真之介は空へ叫ぶ。



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『何を』



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「人間は」



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「未完成だ」



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「だから間違える」



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「だから学ぶ」



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「だから変われる」



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沈黙。



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『変化は』



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『苦痛を生む』



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「そうだ」



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「でも」



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真之介は答える。



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「喜びも生む」



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「出会いも生む」



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「未来も生む」



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その瞬間。



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白い世界に。



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小さな亀裂が入った。



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しかし。



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同時に。



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別の場所。



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藤富家の本家。



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誰もいないはずの地下。



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一人の男が目を開けた。



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古い服。



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長い年月。



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手には。



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八つの石の記録。



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「……始まったか」



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男は呟く。



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「景継も」



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「真之介も」



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「まだ理解していない」



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壁には。



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古い文字。



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『第九を作った者』



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『第一管理者』



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その下。



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名前。



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藤富景継ではない。



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さらに古い名前。



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『藤富零』



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男は笑う。



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「永遠など必要ない」



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「必要なのは」



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「全てを支配することだ」



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真之介が戦っている裏で。



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本当の黒幕が。



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目覚めていた。



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(第八話・続く)

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