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亀の瀬異聞録  作者: こうた
第五章 文明開化の怪異録

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第九話「源次の遺言」

「封じるためでもある」



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母の姿をした記録体はそう言った。



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真之介は言葉を失う。



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守り石。



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これまで分かっていたこと。



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死者を記録する。



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流れを作る。



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魂を固定する。



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忘却する。



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それらはすべて。



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人間と死のための仕組み。



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しかし。



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今。



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別の役割が見え始めた。



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「何を封じている」



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真之介は尋ねる。



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女性は地下の奥を見る。



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あの巨大な影。



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山より古い存在。



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八つの石が囲むもの。



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「名前はない」



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「名前を付ければ」



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「人は理解したと思ってしまう」



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その言葉。



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教師である真之介には分かった。



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未知のものを。



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人間は名前で整理したがる。



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だが。



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名前を付けても。



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理解したことにはならない。



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「昔の人間は」



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「それをどうした」



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女性は答えた。



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「恐れた」



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「そして利用した」



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真之介の表情が変わる。



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まただ。



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藤富家。



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管理者。



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しかし。



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ただ守ってきただけではない。



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「利用?」



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女性は頷く。



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「死者の記録」



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「記憶」



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「魂の流れ」



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「人間が触れてはいけないものに触れた」



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地下の空気が重くなる。



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黒い武者が低い声で言った。



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「最初の過ちは」



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「救いたいという願いだった」



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真之介を見る。



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「悪意ではなかった」



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そこが一番恐ろしかった。



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悪い人間が作ったものなら。



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止めればいい。



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だが。



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これは違う。



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誰かを助けようとして。



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誰かを失いたくなくて。



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その結果。



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世界の仕組みに触れてしまった。



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その時。



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女性の姿が揺らぐ。



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「時間がない」



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真之介は慌てる。



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「待ってくれ」



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「あなたは母なのか」



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一瞬。



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女性は悲しそうに笑った。



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「違う」



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「でも」



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「あなたの母が残した想いではある」



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胸に刺さる言葉。



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本人ではない。



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それでも。



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完全な偽物でもない。



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記憶。



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感情。



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残されたもの。



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それが人を形作る。



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女性は最後に言った。



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「蔵へ戻りなさい」



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「まだ源次さんの最後の記録が残っている」



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真之介は驚く。



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「源次の?」



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女性は頷く。



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「あなたが読むべきもの」



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そして。



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消えた。



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地下には静寂だけが残る。



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真之介は白い石を見る。



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刻まれた自分の名前。



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まだ消えていない。



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だが。



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いつか。



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全ての人間は忘れられる。



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それが自然。



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なら。



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問題は。



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「忘れること」ではない。



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「忘れさせられること」。



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真之介は決意する。



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「戻るぞ」



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武者が尋ねる。



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「逃げるのか」



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真之介は首を振った。



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「調べる」



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「何を」



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「藤富家が何をしたのか」



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そして。



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「守り石が本当に何を守っているのか」



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地上へ戻った。



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夜明け前。



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村は静かだった。



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しかし。



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異変は残っている。



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記憶を失った者。



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死者を見た者。



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誰も完全には元に戻っていない。



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真之介は蔵へ向かう。



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そして。



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源次の帳面を開いた。



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今まで読めなかったページ。



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最後の部分。



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そこには。



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崩落直前に書かれた文字。



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『もし未来の者が読むなら』



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『私は失敗した』



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真之介の手が止まる。



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源次。



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第4章で全てを背負った男。



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その男が。



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失敗と言っている。



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続き。



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『第四の石を弱らせた』



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『第五の石を眠らせた』



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『だが』



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『本当の原因には届かなかった』



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ページが続く。



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『守り石は八つ』



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『しかし』



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『八つだけではない』



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真之介の呼吸が止まる。



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八つだけではない。



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なら。



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何がある。



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最後の一文。



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震える文字。



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『第九は存在する』



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その瞬間。



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蔵の外。



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鐘が鳴った。



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ゴーン……



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誰も鳴らしていない鐘。



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そして。



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窓の外。



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山の頂上。



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今まで見えなかった場所に。



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新しい光。



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九つ目の印が浮かんだ。



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(第九話・続く)

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