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亀の瀬異聞録  作者: こうた
第四章:黒船の年、亡霊の山(1853)

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第八話「死のOS」

見てしまった。



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ほんの一瞬。



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だが確かに見た。



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地下のさらに下。



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岩盤の向こう。



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闇の底。



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そこに存在する無数の目。



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人間のものではない。


獣でもない。


魚でも鳥でもない。



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何か別のもの。



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もっと古いもの。



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源次は全身から汗が吹き出した。



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その目は動いていない。



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しかし見られている。



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確実に。



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認識されている。



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武者が叫ぶ。



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「見るな!」



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次の瞬間。



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宗景が源次を突き飛ばした。



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二人は祭壇の陰へ倒れ込む。



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同時に天井の裂け目が閉じた。



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目も消える。



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石室は再び静寂に包まれた。



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しかし静かではない。



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誰も声を出せないだけだ。



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源次の呼吸は乱れていた。



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宗景の顔色は死人のように白い。



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武者だけが動かない。



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何百年も前からそこに立っていたように。



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やがて宗景が口を開く。



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「見たな」



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源次は黙って頷いた。



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宗景は顔を伏せる。



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「だから我々は近づかなかった」



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その声は疲れ切っていた。



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源次は問いかける。



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「何なんだ、あれは」



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沈黙。



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長い沈黙。



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宗景は首を振った。



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「知らない」



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源次は思わず苛立つ。



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「知らないだと?」



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「本当に知らん」



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宗景は苦しそうに言った。



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「藤富家は管理者だ」



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「だが設計者ではない」



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「最初からそうだった」



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源次は咲の帳面を開く。



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そして気付く。



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新しい文字が増えている。



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昨日まではなかった記述。



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誰かが今書いたような。



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そこにはこう記されていた。



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『第一は記す』



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『第二は流す』



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『第三は混ぜる』



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『第四は留める』



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源次の目が見開かれる。



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守り石だ。



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今まで断片的にしか分からなかった機能。



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それが並んでいる。



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武者がゆっくり頷いた。



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「そうだ」



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源次は帳面を見る。



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さらに文字が続く。



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『全ては一つ』



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『一つは全て』



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その意味が分からない。



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だが宗景は理解したらしい。



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顔色が変わる。



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「そういうことだったのか……」



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源次は宗景を見る。



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「何だ」



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宗景は震える声で答えた。



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「石は別々じゃない」



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「最初から一つなんだ」



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石室が静まり返る。



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源次は考える。



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第一の石。


死を記録する。



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第二の石。


死者を循環させる。



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第三の石。


人格や記憶を混線させる。



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第四の石。


魂を固定する。



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別々に見えていた。



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しかし。



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もし一つの仕組みだとしたら。



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源次は息を呑む。



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「死を処理しているのか」



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武者が初めて源次を真っ直ぐ見た。



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「近い」



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短い返答。



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だが十分だった。



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源次は石室全体を見回す。



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床の模様。



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壁の刻印。



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祭壇。



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全てが繋がっている。



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石工として分かる。



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これは神殿ではない。



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墓でもない。



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機械だ。



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巨大な。



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人間には理解できない規模の。



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死を扱うための機械。



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源次の背筋が震える。



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「死のための装置……」



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宗景は呟く。



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「だから止められないのか」



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武者が答える。



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「止めれば溢れる」



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その言葉に二人は凍りついた。



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溢れる。



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何が。



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その答えは目の前にあった。



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留魂石。



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その中には無数の顔。



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何百年。


何千年。



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積み重なった死。



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もし装置が止まれば。



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それら全てが行き場を失う。



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源次はようやく理解する。



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藤富家が石を壊せなかった理由。



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咲が恐れた理由。



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武者が何百年もここにいる理由。



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全てが一本に繋がる。



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その時だった。



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石室の外から悲鳴が聞こえた。



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男の声。



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女の声。



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子供の泣き声。



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源次は振り返る。



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宗景も立ち上がる。



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村だ。



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何かが起きている。



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そして留魂石が激しく脈動を始める。



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ドン。



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ドン。



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ドン。



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地下の鼓動と同じ音。



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武者が初めて焦った表情を見せる。



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「始まった」



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源次は叫ぶ。



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「何が!」



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武者は石を見た。



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その声は低かった。



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「第四が溢れる」



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次の瞬間。



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留魂石の表面に亀裂が走った。



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一本。



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また一本。



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さらに一本。



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顔たちが苦痛に歪む。



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石室全体が揺れる。



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村からの悲鳴が増える。



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源次は直感する。



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間に合わない。



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何かが起きる。



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今までとは比べ物にならない規模で。



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そして第四の石は。



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ついに限界を迎えようとしていた。



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(第八話・続く)

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