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亀の瀬異聞録  作者: こうた
第二章 飢饉と帰る死人― 八つの守り石 ―

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最終話 藤富の選択

夜が深くなるにつれ、山はさらに不気味さを増していた。



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死人の行列はすでに見えない。



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だが確かに“そこにいる気配”だけが残っている。



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徳蔵は第一の石の前に立ち続けていた。



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空円は何かを測るように石を見ている。



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宗胤は地面に座り込み、息を整えていた。



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そして。



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少し離れた場所から、ゆっくりと足音が近づく。



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徳蔵は振り向く。



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宗景だった。



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藤富宗景。



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利用派の男。



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相変わらず落ち着いた顔をしている。



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まるで散歩に来たかのようだった。



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宗胤の顔が険しくなる。



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「来ると思っていた」



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宗景は笑う。



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「当然でしょう」



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そして石を見る。



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「……もう触れましたか」



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空円が答える。



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「触れてはいない」



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「だが“反応”は起きた」



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宗景は満足そうに頷く。



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「十分です」



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徳蔵は睨む。



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「何が十分だ」



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宗景は徳蔵を見る。



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そして静かに言った。



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「第一の扉は開きかけている」



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沈黙。



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空円が低く言う。



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「扉ではありません」



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宗景は軽く笑う。



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「呼び方の違いですよ」



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徳蔵は一歩前に出る。



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「貴様は何をするつもりだ」



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宗景は迷わず答えた。



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「救済です」



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その言葉に宗胤が強く反応する。



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「救済だと?」



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宗景は頷く。



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「苦しみ続ける魂を終わらせる」



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「それだけです」



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徳蔵は怒りを抑えきれない。



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「それが貴様の目的か」



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宗景は首を振る。



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「目的ではありません」



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「結果です」



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空円が静かに言う。



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「あなたは危険だ」



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宗景は空円を見る。



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「僧の方ですね」



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「あなたは理解しているはずだ」



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空円は答えない。



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だが表情が硬い。



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宗景は続ける。



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「守り石は“苦しみの保存装置”です」



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「ならば」



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「壊すのが救いでしょう」



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徳蔵は言い返す。



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「その後に何が起きる」



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宗景は微笑む。



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「誰にも分かりません」



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「だから面白い」



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その瞬間。



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空円が低く言う。



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「やはりあなたは危険だ」



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宗景は否定しない。



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むしろ楽しそうだった。



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その時だった。



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山の奥で再び光が走る。



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今度は一筋ではない。



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複数。



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空を裂くように伸びる。



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宗胤が立ち上がる。



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「第二の石の位置だ……」



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空円が目を細める。



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「移動しています」



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徳蔵は振り返る。



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「移動?」



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空円は答える。



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「石そのものではありません」



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「“中心”が動いています」



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宗景が小さく笑う。



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「始まった」



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徳蔵が睨む。



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「何がだ」



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宗景はゆっくり言う。



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「再配置です」



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沈黙。



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風が止まる。



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宗胤が震える声で言う。



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「そんな記録はない」



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宗景は肩をすくめる。



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「ないでしょうね」



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「消しましたから」



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徳蔵の拳が震える。



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空円が一歩前に出る。



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「あなたは何を知っている」



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宗景は少し黙る。



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そして答えた。



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「守り石は“固定装置”ではありません」



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「循環装置です」



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徳蔵は理解できない。



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宗景は続ける。



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「怨霊は増え続ける」



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「ならば」



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「流れを作る必要がある」



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宗胤が叫ぶ。



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「だから生贄か!」



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宗景は否定しない。



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「そうです」



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「流すための仕組みです」



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空円が低く言う。



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「それが間違っている」



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宗景は静かに笑う。



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「では代案は?」



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誰も答えられない。



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その沈黙が答えだった。



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徳蔵は理解する。



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この問題に正解はない。



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宗景は静かに言う。



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「私は壊す」



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「そして見届ける」



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「その先を」



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宗胤が叫ぶ。



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「それでは全てが崩れる!」



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宗景は振り返る。



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「もう崩れ始めています」



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山の奥。



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第二の石の位置。



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光がさらに強くなる。



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空円が呟く。



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「遅い……」



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徳蔵は刀を握る。



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父の死。



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死人の行列。



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藤富家の分裂。



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すべてが繋がっている。



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そして今。



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選択が迫られている。



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守るのか。



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壊すのか。



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救うのか。



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それとも。



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すべてを失うのか。



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宗胤が徳蔵を見る。



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「西村殿」



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「あなたはどうする」



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沈黙。



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徳蔵は山を見上げる。



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そこには光があった。



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そしてその奥に。



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何かが“目覚めようとしている気配”があった。



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徳蔵は静かに言う。



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「俺はまだ何も知らない」



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「だが」



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刀を握る。



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「父の答えは見つける」



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その瞬間。



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山が鳴った。



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第二章は終わりを迎える。



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しかしこれは終わりではない。



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むしろ。



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始まりだった。



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第二章 終幕


「藤富の選択」終



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