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亀の瀬異聞録  作者: こうた
第二章 飢饉と帰る死人― 八つの守り石 ―

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第八話 集霊の夜

徳蔵達が村の入口へ駆けつけた時。


そこには異様な光景が広がっていた。



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誰も喋らない。



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誰も動かない。



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村人達が遠巻きに集まっている。



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そして。



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その中央。



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街道の上に。



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死人達が立っていた。



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一人。



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二人。



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十人。



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二十人。



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三十人。



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数え切れない。



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徳蔵は思わず足を止めた。



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全員。



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墓から消えた者達だった。



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老人。



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若者。



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女。



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子供。



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本来なら。



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もうこの世にいないはずの人間達。



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それが列を作っている。



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静かに。



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まるで誰かを待っているように。



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宗胤の顔色が悪い。



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空円も険しい表情をしていた。



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徳蔵は尋ねる。



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「何が起きている」



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空円は答えた。



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「集霊です」



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「死者が呼ばれている」



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「誰に」



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空円は首を横に振る。



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「まだ分かりません」



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しかし。



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宗胤は何か知っている顔だった。



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徳蔵は見逃さなかった。



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「宗胤殿」



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宗胤は黙る。



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徳蔵はさらに問う。



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「何を知っている」



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長い沈黙。



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やがて宗胤は口を開いた。



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「昔から伝わる話があります」



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「どんな話だ」



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宗胤は死人達を見つめながら言った。



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「封印の主が目覚める前」



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「まず死者が集まり始める」



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徳蔵の表情が変わる。



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「目覚める?」



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宗胤は頷く。



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「完全ではありません」



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「ですが」



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「力が戻り始めている」



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空円も同意した。



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「私もそう思います」



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風が吹く。



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冷たい風だった。



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季節外れの寒さ。



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死人達の髪が揺れる。



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その時だった。



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列の中から。



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一人の少女が前へ出た。



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十歳ほど。



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着物姿。



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顔は土で汚れている。



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だが。



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死体には見えない。



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生きているようだった。



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少女はゆっくり歩く。



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村人達が後退る。



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誰も近づかない。



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少女は徳蔵の前で止まった。



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見上げる。



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その瞳は虚ろだった。



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そして。



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小さな声で言った。



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「お兄ちゃん」



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徳蔵は戸惑う。



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自分に向けた言葉ではない。



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少女は続けた。



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「帰ろう」



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涙が流れる。



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「もう帰ろう」



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徳蔵の胸が痛んだ。



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誰かを探している。



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いや。



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思い出そうとしている。



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だが。



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名前が出てこない。



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記憶が欠けている。



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少女は苦しそうに頭を押さえた。



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「思い出せない」



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「思い出せない」



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周囲の死人達も同じだった。



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皆。



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何かを忘れている。



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そして。



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何かを求めている。



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空円が低く呟く。



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「始まっている」



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徳蔵は振り返る。



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「何がだ」



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空円は少女を見ていた。



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「記憶の回帰です」



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徳蔵は理解できない。



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空円は説明する。



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「守り石は魂を縛る」



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「その過程で記憶も削られる」



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「しかし」



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「今は違う」



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「少しずつ戻り始めている」



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徳蔵の背筋が冷える。



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もしそうなら。



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封印に何か起きている。



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その時だった。



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突然。



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死人達が一斉に空を見上げた。



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全員。



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同じ方向。



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山の奥。



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神殿のある方角。



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徳蔵も振り返る。



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すると。



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遠くの山中に。



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青白い光が見えた。



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一本ではない。



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二本。



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三本。



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何本も。



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光の柱。



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夜空へ伸びている。



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村人達が悲鳴を上げる。



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「まただ!」



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「また始まった!」



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「山が呼んでる!」



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混乱が広がる。



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しかし。



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死人達は静かだった。



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まるで導かれるように。



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歩き始める。



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全員が。



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山へ向かう。



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徳蔵は刀を握る。



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空円は険しい顔をした。



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宗胤も青ざめている。



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「まずい」



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宗胤が呟く。



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徳蔵は聞き返す。



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「何がだ」



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宗胤は山を見た。



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そして。



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震える声で言った。



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「今まであんな光は無かった」



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沈黙。



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空円も顔色を変える。



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つまり。



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予想外。



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誰も知らない現象。



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徳蔵は直感した。



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何かが動き始めている。



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百年。



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二百年。



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眠り続けた何かが。



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そしてその夜。



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徳蔵達は死人達の後を追い。



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再び山へ入ることになる。



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だが。



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そこで待っているものは。



---


これまで見てきた怪異とは比較にならない存在だった。



---


第二章 第八話


「集霊の夜」終


第九話「第一の石の影」へ続く。

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