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亀の瀬異聞録  作者: こうた
第十二章 記録者

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第七話 第三記録庫の噂

昭和十一年。



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東京。



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記録禁止令が出てから三日。



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街は静かだった。



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静かすぎた。



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新聞は消えた。



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放送も減った。



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人々は“昨日”を話さない。



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まるで最初から何もなかったように。



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朝倉誠司は裏通りを歩いていた。



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新聞社は封鎖。



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印刷所は停止。



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それでも彼は歩く。



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理由は一つ。



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「まだ終わっていないからだ。」



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その時。



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路地の奥。



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誰かが立っていた。



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黒いコート。



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顔は見えない。



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だが“記録者”の匂いがする。



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朝倉は止まる。



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「お前は誰だ。」



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男は答えない。



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代わりに紙を投げる。



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朝倉は受け取る。



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そこには地図。



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だが普通の地図ではない。



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線が歪んでいる。



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場所が消えている。



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そして一つの印。



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「亀の瀬」



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その横に手書きの文字。



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『第三記録庫 接触点』



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朝倉は顔を上げる。



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「どこでこれを?」



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男はゆっくり言う。



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「噂だ。」



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その夜。



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酒場。



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情報屋。



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崩れかけたテーブル。



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朝倉は地図を広げる。



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「第三記録庫を知っているか?」



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情報屋は笑う。



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「それは“存在しない場所”だ。」



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朝倉は黙る。



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情報屋は続ける。



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「ただな。」



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「最近妙な話はある。」



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彼は声を落とす。



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「名前を言うと消える村。」



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「記事を書いた瞬間に事故が起きる記者。」



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「そして……」



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一拍。



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「“見てはいけない空間”」



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朝倉は息をのむ。



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「それが第三記録庫か。」



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情報屋は首を振る。



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「分からん。」



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「だが近づいた奴はみんな同じことを言う。」



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朝倉は聞く。



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「何を?」



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情報屋は答える。



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「“まだ書かれていない”」



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その瞬間だった。



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酒場の照明が揺れる。



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ザ……ザザ……



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音が割れる。



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ラジオが勝手につく。



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そこから声。



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ノイズ混じり。



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しかし確かに“言葉”。



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> 「第三記録庫、観測領域に接続」





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店内が凍る。



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グラスが止まる。



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人の動きが止まる。



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朝倉だけが動ける。



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「またか……!」



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空間が裂ける。



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天井が“紙”になる。



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めくられるように。



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その向こう。



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黒い空間。



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無限に広がる“未記録”。



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そこに。



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村が見えた。



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地図にない村。



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だが確かに“存在している”。



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情報屋が震える声で言う。



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「それだ……」



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朝倉は立ち上がる。



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「行くしかないな。」



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その時。



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ポケットの紙が熱を持つ。



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真之介の手記。



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そこに新しい一行。



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> 「そこでは“名前”が武器になる」





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朝倉は笑う。



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「ならちょうどいい。」



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「俺は記録者だ。」



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空間の裂け目が広がる。



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少女の声が響く。



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「やめて!」



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白い着物の少女。



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再び現れる。



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彼女は必死に叫ぶ。



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「そこに入ったら戻れない!」



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朝倉は振り返る。



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「戻る気はない。」



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少女は泣きそうな顔で言う。



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「あなたはまだ“記録されてない側”なの!」



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朝倉は一瞬止まる。



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だがすぐに言う。



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「だからだ。」



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そして。



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一歩踏み出す。



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裂け目に入る瞬間。



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世界が一度止まる。



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少女の声だけが残る。



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「……あなたが“記録”になる」



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そして。



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朝倉誠司は消えた。



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気づけばそこは。



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亀の瀬。



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しかし違う。



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“地図にない亀の瀬”。



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空が黒い。



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山が歪んでいる。



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音がない。



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そして。



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何より恐ろしいのは。



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そこに“記録”がないこと。



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朝倉は呟く。



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「ここが……第三記録庫か。」



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その瞬間。



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背後から声。



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静かに。



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冷たく。



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> 「ようこそ」





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朝倉は振り向く。



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そこにいたのは。



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“主”ではない。



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だがそれに近い存在。



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形が定まっていない影。



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そして。



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その影は言う。



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> 「ここはまだ書かれていない世界」





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朝倉は息をのむ。



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「なら……俺が書く。」



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影はゆっくり笑う。



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> 「それが一番危険だ」





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黒い雪が一粒。



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落ちる。



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そして消える。



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第八話「記録者の喪失」へ続く。

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