第五話 記事が人を殺す
昭和十一年。
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東京。
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朝倉誠司は印刷所にいた。
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いつもの新聞社ではない。
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ここは“異常”を扱う特別印刷室。
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窓はない。
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外の音もない。
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ただ、機械音だけが続く。
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ガチャン……ガチャン……
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刷り上がる紙。
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しかしそこにある文字は普通ではなかった。
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朝倉はそれを見つめる。
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「藤富蒼士、消息不明」
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刷られた瞬間。
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インクが揺れた。
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そして。
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文字の一部が消える。
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「……またか。」
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朝倉は歯を食いしばる。
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この現象はすでに何度も起きていた。
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書けば消える。
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書かなければ残らない。
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どちらにしても“壊れる”。
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その時。
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編集長が低い声で言う。
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「朝倉。」
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「その記事は出すな。」
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朝倉は振り向く。
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「理由は?」
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編集長は答えない。
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代わりに一枚の新聞を投げる。
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そこには。
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同じ記事。
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「藤富蒼士、死亡確認」
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朝倉の目が揺れる。
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「……二つ?」
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編集長は言う。
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「どっちが正しいか分からない。」
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「だがな。」
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「この二つの記事を読んだ人間が……」
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言葉が途切れる。
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朝倉は続ける。
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「どうなる?」
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編集長は顔を背ける。
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「死んだ。」
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沈黙。
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印刷機の音だけが響く。
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ガチャン……
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ガチャン……
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朝倉は一歩前に出る。
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「記事で人が死ぬ?」
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編集長は頷く。
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「正確には“記事が現実を決める”。」
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朝倉は紙を握る。
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「なら止めるしかない。」
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その瞬間。
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印刷機が止まる。
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全ての機械が。
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一斉に。
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ピタリと。
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止まった。
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そして。
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部屋の奥。
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黒いインクが床を這う。
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まるで生き物のように。
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朝倉は後退する。
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「……来たな。」
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インクは形を作る。
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文字になる。
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『観測対象:記事』
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朝倉は息をのむ。
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「記事が……観測されている?」
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その時だった。
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紙が一枚落ちる。
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そこに勝手に文字が浮かぶ。
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「書いた者は責任を持つ」
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朝倉は叫ぶ。
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「誰がだ!」
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すると。
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天井から声。
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低く。
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静かに。
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> 「記録者」
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朝倉は見上げる。
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そこには。
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“主”の影。
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しかし完全ではない。
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歪んでいる。
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声は続く。
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> 「記事は現実になる」
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> 「現実は記事になる」
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朝倉は歯を食いしばる。
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「なら全部消せばいい!」
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その瞬間。
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印刷機が再起動する。
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ガチャン!!
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勝手に動き出す。
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紙が流れる。
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インクが走る。
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そして刷られる。
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「朝倉誠司死亡」
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朝倉の呼吸が止まる。
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「……ふざけるな。」
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紙が現実に影響する。
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部屋の空気が重くなる。
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朝倉の手が薄くなる。
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「……俺が消えるのか?」
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少女の声が響く。
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「逃げて!」
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白い着物の少女。
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扉の外に立っている。
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朝倉は叫ぶ。
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「どうすれば止まる!」
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少女は震えながら言う。
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「書かないこと!」
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「でももう遅い!」
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その瞬間。
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印刷機が最後の一枚を吐き出す。
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そこには。
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空白。
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しかしその空白に。
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文字が浮かび始める。
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ゆっくり。
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確実に。
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「世界は記録によって成立する」
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朝倉は笑う。
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「なら……書くしかないだろ。」
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少女が叫ぶ。
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「やめて!」
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だが朝倉はペンを取る。
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そして書く。
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一行。
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「記事は誰も殺さない」
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その瞬間。
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世界が揺れる。
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ガラスが割れるような音。
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インクが逆流する。
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文字が崩れる。
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そして。
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沈黙。
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すべてが止まる。
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数秒後。
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印刷機が再び動き出す。
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ガチャン……
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そこに刷られていたのは。
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白紙。
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何もない紙。
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朝倉は息を吐く。
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「……止まったのか?」
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少女は小さく頷く。
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「今は。」
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その時。
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机の上に一枚だけ残る紙。
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誰も書いていないはずの文字。
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「記事は記録に戻った」
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朝倉はその文字を見つめる。
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「戻る?」
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少女は答える。
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「まだ戦いは終わってない。」
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遠く。
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印刷所の外。
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黒い雪が一粒。
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落ちる。
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そして消える。
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第六話「記録禁止令」へ続く。




