陰キャの呪い
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「ファイっ!」
「それじゃ、実況中継でもしようかしら」
「そうだな。ワタシが解説をする」
「お二人とも、だいぶ物語の設定とズレている気がするんですが……」
「まぁ、気にするな。これも流れだ。それに巫琴だって、レフリーみたいだぞ」
「まぁ、そこは否定しませんけど……」
「お前たち。オレは戦っていいんだよな?」
「もちろんです。タイトルマッチでもリターンマッチでもありませんから、ここで負けるわけにはいきませんよ!」
「わかった。必ず勝つぞ!」
「それにしても、巫琴ちゃん。詳しいのね」
「はい。どちらかというと、お父さん子だったので」
「本当に? 世のお父さんたちに、聞かせてあげたいわね」
「いくぞ! 我が名は、アーサー。正義のために、いざ参らん」
「アーサー様! 頑張ってくださいねー!」
「クソぉーー!? 向こうには、女三人と、馬三頭と、狼と虎の魔獣まで応援している。アタシにも、応援が欲しい」
「おっと、オルケーノ。どうやら仲間からの応援を欲しがっています。どうするつもりなのでしょうか」
「これはもしかすると、魔法で仲間たちを召喚するのではないか」
「来い! まだ生き生きとした、ゾンビたちよ!」
「やはり、魔法で仲間たちを召喚しました。それもわざわざ、生き生きとしたゾンビを二十体もです」
「これで、寂しくはなくなったな」
「さぁ、オルケーノ。ここから声援を受けて、どう反撃するのでしょうか!」
「覚悟しろよ! そこのイケメン王子! 絶対にお前の顔を、涙と鼻水でぐちゃぐちゃにしてやるからな!」
「おっと。また前と同じことを、オルケーノは言いました。オルケーノ選手は、この戦いを、どう思っているのでしょうか」
「喰らえぇーー! 陰キャの囁き」
「ん。なにも攻撃はされませんねぇーー。これはどういうことなのでしょうか」
「待て。耳を澄ませて、よく聞いてみろ」
「どうせみんな、アタシなんかに興味はないんだ……。今日も屋上で一人、お弁当……。でも、トイレで食べてないだけで、マシね……」
「おっと。アーサー選手が、オルケーノ選手が可哀想で泣いています。その涙で、顔がぐちょぐちょです。大丈夫なのでしょうかー」
「アーサー選手。大丈夫ですか」
「レフリーが、アーサー選手のダメージの状態を確認しました」
「これは意外と、聞いているかもしれないぞ」
「アーサー選手。涙で剣が触れません。このまま泣き崩れてしまうのか」
「いや。溢れる涙を拭ったぞ。戦うようだ」




