魔法の鏡
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「おっ、おぉ。任せておけ」
「アーサー。どうして、そんなにカタコトみたいな言い方なの?」
「フフ。どうやら、アタシの美しさで、まともに動けぬようだな」
「うわぁーー。凄い自惚れ」
「でも、歳の割りには、きれいな方じゃない。おいくつですか?」
「四十二……」
「えっ? 良く聞こえませんでしたけど、何歳ですか?」
「四十二……」
「えっ?」
「五十一だよ! 文句あるか!?」
「あら。本当に、魔女としては、意外と若かったわね」
「でも、歳を、九歳サバを読んだぞ」
「微妙なサバの数ですね」
「目元のシワが気になる年齢かしら」
「うっ、うるさい!? お前たちは、本当に戦うつもりがあるのか!?」
「もちろんですよぉーー。ねぇ、アーサー様」
「もちろんだ。まずはオレが相手をしてやる!」
「フン! お前みたいな、美女たちに囲まれたイイ男、この最高位魔女のオルケーノ様が、石に変えてやるわ!」
うわぁーー。でも、メデューサみたいに目を見たら、石にされるっていうわけでもなさそう。でも、一応……。
「みんな! 目をつぶってください! 鏡で反射させます! 魔法の鏡!」
「あら、イヤだ。この目の前にいる、きれいな女性は誰かしら。そんなのわかり切ってるわ。このオルケーノよ。鏡よ、鏡。世界一、きれいなのは、誰?」
「それは……」
「それは?」
「それは……」
「それは?」
「それは……」
「もぉーー。そんなに勿体ぶってないで、早く言いなさいよぉーー」
「なんか、オレが戦う前に、完全に魔女が、魔法使いの魔法にかかってるな」
「さすがねぇーー、巫琴ちゃん。魔女に魔法をかけちゃうなんて」
「やはり、巫琴の魔法は侮れんな」
「いや……。これはあたしの魔法なんでしょうか……。なんか勝手に強い自己暗示にかかっているようなぁーー」
「それなら、なにか女としての強いストレスでもあるのかしらぁーー。可哀想……」
「可哀想は失礼だぞ。可哀想なんて言われたら、もっと惨めになる」
「そうですよぉーー。ライムさんの言うとおり、可哀想は禁句ですよ、エミリさん」
「ごめんなさい」
「お前たち、これでオレが戦う必要があるのか」
「大丈夫です。もうすぐ魔法が解けますから」
「もぉーー。勿体ぶってないで、早く教えなさいよぁーー。もう決まってるんでしょぉーー。世界一きれいな女はーーー。ア・タ・シ。そうよね」
「違います。天地がひっくり返ったって、あなたではありません」
「ちょっとぉーーー!? 鏡のくせに、このオルケーノ様に口答えするっていうの!?」
「そうです。そして時間切れです。割れます。夢の時間はこれで終わりです」
「なんなのよ!? アタシを騙したのねぇーー!?」
「それじゃあ、アーサー様。あとはよろしくお願いします」
「それじゃ、魔法が解けたところで、オレが相手をしよう」
「はぁーーーっ!? そのイケメン面を、涙と鼻水で、ぐちゃぐちゃにしてくれるわ!」




