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うっかり死んだら異世界転生しちゃいました! でもここにはイイ男が全然いませーん! そんなところへ、ドSの王子様が現れました!  作者: 志村けんじ


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現れたモンスターたちの正体

♢


「アーサー様、居ました! 狼《ポチ》です!」


「どうやら、狼《ポチ》は無傷のようだな」


「見てください! なんだかよくわからないモンスターたちがたくさんいます!」


「ずいぶんと、数を揃《そろ》えてきたわね」


「見るかぎり、ざっと三十~四十体はいるぞ、アーサー!」


「あぁ!」


「でも、狼《ポチ》。どうしてあのモンスターたちに攻撃しないのかしら」


「それは、そーですね。ちょっと待ってください。狼《ポチ》のところに行って聞いてみます」


「あぁ! 頼んだぞ、巫琴《ミコト》!」


「狼《ポチ》ー、どうしたの?」


「ガゥゥ」


「えっ!? ちょっと待っててね」


 ポチはあの中に人間の気配がするって言ってる。


「正体を見破る魔法!」


 本当だ……。あのモンスターたちは人間……。どうしよう……。


「アーサー様! あのモンスターたちは、人間です!」


「どういうことだ、巫琴《ミコト》!?」


「どうもこうも、あのモンスターたちの正体は、人間なんです!」


「そうなのか!?」


「どーしたらいいですか、アーサー様。あのモンスターたちの中に、あたしの知ってるロトくんもいます」


「ロトって、あまお前を追いかけてきた少年か!?」


「そんなことなら、ここはわたしの出番ね。ここはまずわたしに任せてちょうだい!」


「わかった! エミリ、頼んだぞ!」


「巫琴《ミコト》ちゃん。あのモンスターたちは、みんな正体は人間なのね」


「そうです! エミリさん!」


「なら、任せてちょうだい!」


「ハイ! お願いします!」


「悪しき衣に纏《まと》われし魂よ。精霊の名の下《もと》に、魔よ退け! ハァーーーッ!」


 凄い!? エミリさんの精霊の魔法で、モンスターたちが元の人間の姿に戻ってく。


「ここに来るまでに、何人かの村人が突然居なくなっていたと聞いたのは、こういうことだったのか!?」


「あぁ。おそらくは、そうだったのだろうな。でも良かった。狼《ポチ》と巫琴《ミコト》のおかげで、その村人たちを一人も傷つけずに済んだぞ」


「本当にそうだな、ライム」


「ちょっと二人とも、わたしのことを忘れてない?」


「スマンスマン。もちろん、エミリが居てのことだ」


「ほら、ロトも正気を取り戻したようだぞ、アーサー」


「巫琴《ミコト》さぁーーん!」


「どうして、こんなことになってたの、ロトくん」


「えーと、よくはわからないんですが、オルケーノという魔女に操《あやつ》られていました」


「魔女のオルケーノ? それって、どんな魔女だったのか憶えてる?」


「いや、全然。憶えていることといったら、やたらと嫉妬深《しっとぶか》い魔女だったと思います」


「なぁ、それって、なんとなくじゃなく、しっかりと憶えてるっていうんじゃないのか?」


「そうね、アーサー」


「しかし、その嫉妬深《しっとぶか》いというのは、女のワタシからしてみても、なかなか厄介《やっかい》な相手だと思うぞ」


「だろうな」


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