敵発見!
♢
「しかし、ここから先は、はほとんどが森の中だな」
「そうね。道らしき道もないしね」
「フレデリックたち馬も歩きにくそうですよ」
「そうだな」
「それよりも、巫琴。ワタシは、身体の大きな魔獣の狼と虎の方が歩きにくそうに見えるぞ」
「あぁー。そうですね。ライムさんの言うとおり、木が邪魔で歩きにくそうですね。それなら一旦、普通サイズに小さくしますね」
「そんなことができるのか?」
「はい。できますよ。馬を降りて、すぐしますね。よいしょっと」
「本当に、巫琴ちゃんの魔法は、なんでもありになったわね」
「狼と虎。こっちにおいで」
「ガゥゥ」
「ガゥ」
「それじゃ、普通の狼と虎のサイズになれぇーー! エイ!」
「なんだか、前が熊のように大きかったから、普通サイズになると、ちょっと可愛く思えるわね」
「それで巫琴、もし戦いになったら、また元の大きさに戻す魔法をかけるのか」
「あっ、そこは大丈夫です、アーサー様。元の大きさに戻るときは、自分たちの意志で戻れるようにしましたから」
「なるほど。そんなアーサーの心配の前に、すでに対策済みというやつだな」
「まぁ、そういうことです」
「それにこの大きさになら、先に偵察にも行かせられそうだな」
「そうね。もしそれができたら安心ね。巫琴ちゃん、それはできるの?」
「はい。あたしの魔法力での探知の範囲なら、それもできると思います」
「なるほどな。早速で悪いが、巫琴。狼か虎のどちらかを偵察に出してくれないか」
「はい。了解です、アーサー様。じゃあ、狼。気をつけて行ってきなさい」
「ガゥゥ」
「それじゃ、オレたちも先に進むぞ。ここからは、あらためて慎重にな」
「わかってるわ」
「本当に、森は深くなっていくばかりだな」
ライムさんの言うとおり、本当にもう木と草しか見えない。
ピン――。
「アーサー様、狼が敵を見つけました!」
「何!? 本当か!? どの位置だ」
「大体、十一時の方向で、三キロぐらい先です!」
「よし! オレたちも急いで、そこに向かうぞ!」
狼、急いで行くね。それまで待っててね。
「アーサー様、もうすぐ見えるかと思います!」
「よし! わかった! みんなも気を引き締めてな!」
「それじゃーー、行くわよ! ファイトぉーー!」
「イッパァーーツ!」「イッパァーーツ!」「イッパァーーツ!」




