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うっかり死んだら異世界転生しちゃいました! でもここにはイイ男が全然いませーん! そんなところへ、ドSの王子様が現れました!  作者: 志村けんじ


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馬たちからの信頼

♢


「さすがに、ここからの道のりは、山道ばかりになるな」


「そうね。こう登り坂ばかりだと、さすがに馬たちも苦しそうね」


「どうだ、アーサー。そろそろ、一旦休憩しないか」


「そうだな。そうしよう」


「よいしょっと」


「巫琴《ミコト》。すまないが、馬たちに水を出してくれないか」


「はい。了解です」


「ついでに、わたしたちにも、パンを出してほしいわ」


「はい。それも了解です」


「しかし、最初のころは、巫琴《ミコト》の隠匿の魔法も、食料を入れた箱ごと全部出し入れしなければいけなかったのが、今では好きなものを出し入れ自由になったからな。これも巫琴《ミコト》の魔法の応用力の高さのなせる業《わざ》だな」


「いや~。そんなストレートに褒められると照れちゃいますよ、ライムさん。そんなに褒めてくれても、何も出しませんよ。今、パンは出しますけど」


「そんなことはない。隠匿の魔法だけじゃなく、巫琴《ミコト》はワタシたちパーティーの胆《きも》だからな」


「本当だな。巫琴《ミコト》がいなければ、オレたちはここまでは来れなかったかもしれん」


「そうね」


「みなさん。何、しんみりと、そんなこと、言ってるんですかぁー。パンは出しましたけど、みなさんは元気を出してくださいね」


「あぁ。ホントだな」


「あたしは、フレデリックたちに、水をあげてくるんで」


「あぁ。わかった」


 みんなにあんなこと言ったけど、なんだかテンションは上がんない……。


「巫琴《ミコト》さん。本当に大丈夫ですか。今日は全然元気ないですね」


「ありがとう、フレデリック。心配してくれて」


「そうよ、巫琴《ミコト》さん。元気出して」


「ありがとう。ポーラ」


「巫琴《ミコト》さんは、ボクたち馬のリーダーなんですからね」


「ん!? どういうことなの、ビクター。あたしが馬たちのリーダーって。これでも、あたしは人間」


「いや。そういう意味ではなく。巫琴《ミコト》さんは、ボクたち動物チームのリーダーじゃないですか」


「えっ、そうなの?」


「だって、魔獣でもある、狼《ポチ》と虎《タマ》まで、従えてるんですよ」


「まぁ。そう言われれば、そうだけど」


「ボクたちを、伝説の聖獣、ペガサスにもしてくれましたしね」


「まぁ……。厳密に言うと、白馬なのは、フレデリックだけだけど」


「それでも、いいんです」


「しかし、ビクター。普段は無口でクールなふりをしてるわりに、今日はやたらとしゃべってくれるんだね」


「ビクターはね、巫琴《ミコト》さん。自分とも話をしてほしいと思ってるんですよ」


「そうなの? ビクター」


「……」


「フレデリックに、ちょっとヤキモチを妬いてたのよね、ビクター」


「そういう風に、ボクをからかうのはやめてくれ」


「でも、みんな。あたしのこと、心配してくれて、ありがとね」


「いえいえ。どうやら、そろそろ出発するみたいですよ」


「おい、巫琴《ミコト》。そろそろ出発するぞ」


「了解です。アーサー様!」


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