馬たちからの信頼
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「さすがに、ここからの道のりは、山道ばかりになるな」
「そうね。こう登り坂ばかりだと、さすがに馬たちも苦しそうね」
「どうだ、アーサー。そろそろ、一旦休憩しないか」
「そうだな。そうしよう」
「よいしょっと」
「巫琴。すまないが、馬たちに水を出してくれないか」
「はい。了解です」
「ついでに、わたしたちにも、パンを出してほしいわ」
「はい。それも了解です」
「しかし、最初のころは、巫琴の隠匿の魔法も、食料を入れた箱ごと全部出し入れしなければいけなかったのが、今では好きなものを出し入れ自由になったからな。これも巫琴の魔法の応用力の高さのなせる業だな」
「いや~。そんなストレートに褒められると照れちゃいますよ、ライムさん。そんなに褒めてくれても、何も出しませんよ。今、パンは出しますけど」
「そんなことはない。隠匿の魔法だけじゃなく、巫琴はワタシたちパーティーの胆だからな」
「本当だな。巫琴がいなければ、オレたちはここまでは来れなかったかもしれん」
「そうね」
「みなさん。何、しんみりと、そんなこと、言ってるんですかぁー。パンは出しましたけど、みなさんは元気を出してくださいね」
「あぁ。ホントだな」
「あたしは、フレデリックたちに、水をあげてくるんで」
「あぁ。わかった」
みんなにあんなこと言ったけど、なんだかテンションは上がんない……。
「巫琴さん。本当に大丈夫ですか。今日は全然元気ないですね」
「ありがとう、フレデリック。心配してくれて」
「そうよ、巫琴さん。元気出して」
「ありがとう。ポーラ」
「巫琴さんは、ボクたち馬のリーダーなんですからね」
「ん!? どういうことなの、ビクター。あたしが馬たちのリーダーって。これでも、あたしは人間」
「いや。そういう意味ではなく。巫琴さんは、ボクたち動物チームのリーダーじゃないですか」
「えっ、そうなの?」
「だって、魔獣でもある、狼と虎まで、従えてるんですよ」
「まぁ。そう言われれば、そうだけど」
「ボクたちを、伝説の聖獣、ペガサスにもしてくれましたしね」
「まぁ……。厳密に言うと、白馬なのは、フレデリックだけだけど」
「それでも、いいんです」
「しかし、ビクター。普段は無口でクールなふりをしてるわりに、今日はやたらとしゃべってくれるんだね」
「ビクターはね、巫琴さん。自分とも話をしてほしいと思ってるんですよ」
「そうなの? ビクター」
「……」
「フレデリックに、ちょっとヤキモチを妬いてたのよね、ビクター」
「そういう風に、ボクをからかうのはやめてくれ」
「でも、みんな。あたしのこと、心配してくれて、ありがとね」
「いえいえ。どうやら、そろそろ出発するみたいですよ」
「おい、巫琴。そろそろ出発するぞ」
「了解です。アーサー様!」




