不安定な心
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「ヨシ。それなら出発だ。これからは更に厳しい道のりだぞ。みんな気を引き締めてな」
「それはいわゆる、ふんどしを締め直すというやつですね」
「ふんどし? なんだ、そのふんどしを締め直すというのは?」
「あっ!? えーーとぉ……。あっ、パンツのゴムを締め直すという意味です」
「巫琴ちゃん。そのゴムっていうのは、なんなの? 紐ならわかるけど」
「あっ、じゃあ、紐で」
「しかし、お前が以前いた世界には、いろんなものがあったんだな」
「まぁ……ハイテク化が進んでもいまして」
「ハイテク? なんだ、それは?」
「えっとぉーー。取りあえず、便利なものがたくさんあったということです」
「まぁ、いいではないか。ワタシは、そのたまに出てくる、巫琴のよくわからない話は好きだぞ。それに、そんなに気にすることでもないだろう」
「まぁ、そうだな」
「それに、本当は巫琴も、元いた世界に戻りたいのではないのか」
「!? 巫琴……。そんな風に思っているのか?」
「そうなの、巫琴ちゃん?」
「あっ……。えぇーーっとぉーー。どうなんでしょうか? あたしは一度死んでこの世界に来たはずなので」
「そういえば、突然あの村の近くに現れたと言ってたな。イヤか、この世界にいるのは?」
アーサー様、そんな真剣なまなざしで、あたしを見ないでください。それに、なんだか少し、悲しそう……。
「まさか。そんなことはないわよね、巫琴ちゃん」
「はい。まぁ、そうですね。いまのところは、全然そんな気は」
「ほら、大丈夫よ、アーサー。そんなに心配しなくても、大丈夫」
「バ……バカをいうな!? 別に心配などしていない」
「そんな無理してると、あとで後悔することになるわよ」
「そうだぞ、アーサー」
「オレをからかうな、二人とも!?」
「図星だろうが、アーサー」
図星!? 図星って、まさか……。って、前はもっと気持ちが自然に盛り上がったんだけどな……。近頃のあたし、自分でも、どうしちゃったんだろ……。
「巫琴ちゃん、ホントに大丈夫?」
「あっ、エミリさん。心配してくれてありがとうございます。全然大丈夫です」
「そう。何か悩み事があったら、遠慮なく話すのよ」
「はい。そのときはよろしくお願いします」
元いた世界かぁーー。お父さん、お母さんは元気なのかな。あたしが突然死んで居なくなって、悲しんでるんだろうな……。
でも、いまは魔王をなんとしても倒さないと!
「それじゃあ、みなさん行きますよ! 久しぶりに……アレ行きます!」
「アレってなんだ?」
「ファイトぉーー!」
「アレね」
「アレか」
「イッパァーーツ!」「イッパァーーツ!」「イッパァーーツ!」
「では、みなさん、参りましょう!」




