愛のチカラ
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「遠くに、ずいぶんとイイ男がいたと思ったから来てみたの」
何なんですかぁーー!? この女ぁーー!? 突然現れて、藪から棒に!
「ホント、近くに来てみたら、益々イイ男ね。ねぇ。これからふたりでお酒飲まない?」
「ダメですぅーー! これからアーサー様は、宿に帰って、ゆっくり休むんですから!」
「なぁーにぃ。このお子様は? こんなのほっといて、ふたりで飲みに行きましょうよ。そうしましょ!」
「だから! アーサー様は、お酒なんか飲みに行きません!」
「だから、なんなの? お子様は、先に帰って寝てなさい」
「あなたこそ、何なんですかぁーー!? そんなエロい格好して、近づいてきて!」
「そうね。お子様には、まだこういう大人のオンナは無理よね」
ムッかぁーー! この女の正体、暴いてやる!
「正体を見破る魔法!」
「アーサー様! この女、人間じゃないです! 角に尻尾に、翼まであります!」
「クッ。こうも早く、サキュバスのレイミの正体を見破るとは!?」
「やはり、そうだったか!」
「アーサー様、わかってたんですか」
「当然だ。こんなあからさまに誘惑してくる女など、そうは居ないからな」
あっ……。でも、居るにはいるんだ……。気をつけよう。
「他の男どもは、簡単に私の誘惑に負けたのに、お前だけは違ったようだな」
「当然だ!」
「お前たち以外の他のパーティーの女たちも、インキュバスが誘惑して、その精気と生命力を吸い取ってやったからな。これで魔王様の居城に向かうバーティーで残っているのは゜、お前たちだけだ!」
「そうなのか……」
「これで、お前もお終いだな。勇者よ!」
「そうはさせません! アーサー様は、あたしが護ります!」
「そういうお前も、杖も、あの弓矢も持っておらぬではないか!」
「そんな舐めないでください! あたしには、愛のチカラがあります!」
「よくもまぁー。そんな恥ずかしいセリフを抜けぬけと」
「光の矢の魔法! エイ!」
「当たらぬな。お前の狙っているところなど、手に取るようにわかるわ! いくらその矢を放とうと無駄だぞ」
「こんのぉーー! 動き回って、矢が当たらないんなら、押さえつけてやるぅーー!」
「なんだ!? この光の輪は!? 全然、身動きが取れん!?」
「では、あらためて、光の矢の魔法!」
「これが警戒すべき、この小娘魔法使いのチカラか……」
「どうです! これが愛のチカラです!」
「よかったわね。アーサー。無事で」
「巫琴の愛のチカラは偉大だな」
「そうかもしれないが……。そう他の奴に面と向かって言われると恥ずかしい……」
「あらやだ。アーサーったら、照れてるの」
「あれ? エミリさん、ライムさんどうしたんですか? 先に宿に戻ってたんじゃ」
「いえね。こういうのが、わたしたちを誘惑してきたものだから、ちょっと心配になって戻ってきたのよ」
あっ……。さっきの女悪魔みたいなのの男版だ……。完全にボコボコにされてる……。たぶん二人に殴られたんだ……。
「こいつは生かしておいたから、いろいろと吐かせましょう」
「あぁ……」
あぁ……アーサー様。さすがにドン引いてる。




