謎の水
♢
「フレデリックたち。もう下りてきても大丈夫だよ」
「はい。いま下りていきます」
「いやぁーー。凄かったですねぇーー。さっきの巫琴さんの魔法」
「まぁ、アレはとっておきだからね」
「そーですよねぇーー」
「そーいえば、フレデリックたちも、翼で飛ぶのだいぶ慣れたみたいだね」
「あっ。そーですね。気がつけば」
「おい、巫琴! そんな馬と話してる余裕は無くなりそうだぞ!」
「えっ!? どーしたんですか、アーサー様!?」
「次の敵だ!」
「気がつかなかったの、巫琴ちゃん! まわりを見て!」
えっ!? えっ!?
「あぁーーっ!? なんだか、水の膜みたいなのが、ゆらゆら揺れてますぅーー!? 何なんですか、アレは!?」
「わからん! オレたちも、さっき囲まれていることに気づいた」
「段々と、距離を詰めてきているぞ! どうする、アーサー」
「ヨシ! 一旦全員で、一点に集中して攻撃してみよう! イクぞ!」
「おぉ!」
「わかったわ!」
「イキます!」
「ダメか……。穴は開いても、すぐにふさがってしまう」
ん? 穴を開く。斬れる。でも、すぐにふさがる……」
「アーサー様! ちょっと良い手があります!」
「なんだ、巫琴。もう上もふさがれてしまったから、もう空にも逃げられんぞ!」
「違います! ちょっと危ないかもしれませんが……。アーサー様というより、ここはライムさんですね。ライムさん、ちょっといいですか」
「なんだ!? どうすればいいんだ、巫琴」
取りあえず……。
「狼と虎! 急いでここにみんなが入れるぐらいの大きな穴を掘って!」
「ガウッ!」
「ガゥゥ!」
「それじゃ、ライムさん! みんなが穴に入ったら、このまわりに旋風刃をぶちかましてください!」
「わかった!」
「みんな、一斉に穴に飛び込んで!」
「旋風刃!」
ヨシ! 旋風刃の威力で、あの水みたいなのが全部吹き飛んだ!
「みんな! お互い誰かの身体に触って!」
「ライムさんも、行きますよ!」
「瞬間移動の魔法!」
ヨシ! みんな、あの変なのから抜け出せた!
「みんな。ケガとかはないですか!」
「大丈夫だ」
「大丈夫よ」
「まさか、こんなのがあったとはな。ワタシの旋風刃で、吹き飛ばした隙を狙って脱出するとは」
「でも、巫琴。普通に瞬間移動の魔法だけで脱出できなかったのか」
「んーー。わかんないです。アレがなんなのかもわからなかったので……」
「でも、あの水の膜みたいなのも消えてるわ」
「ワタシの旋風刃で、全部吹き飛んで消えたというわけでもないだろうしな……」
「なんだったんでしょうか、アレは……」




