強敵現る
♢
「ねぇ、巫琴さん」
どうしたの、フレデリック?
「あの、空を飛んでいるときに。飛んでいるというよりは、空を走っているような感じがしたのはどうしてでしょうか」
空を走ってる? 空を走ってる……。? ?
んーーっ? それはーー……。どうしてなのかは……どうしてなんだろう?
「わからないんですか!?」
うん。わかんないや。
「えっ!? じゃあ、巫琴さんが、空を飛んでるときは、どんな感じなんですか?」
えーと、そのときは、エレベーターに乗った感じで宙に浮いて、飛んでいるときは、自分が飛行機になってる感じかなぁ。
「飛行機? エレベーター? なんなんですか、それは?」
うーーん……。詳しくは教えられないけど。あたしの元いた世界には、そういう乗り物があったんだよねー。
「そうなんですか」
そうなんです。あっ、ところで、虎も狼も、あなたたちのことは、絶対に食べたりしないから安心してね。
「はい。そこは頼みますよ、巫琴さん」
「ガゥゥ!」
「ガウッ!」
「どうしたの!? 虎、狼」
「わかった! アーサー様! 何か来ます! もう、すぐそこまで来てます!」
「何ぃ!? 巫琴が全然気づかなかったのか!?」
「すみません!」
「いや。謝ることじゃない」
「ガゥゥ!」
「ヒヒヒヒ。ようやく、気がついたようじゃの」
なんですかぁーー!? この髭が地面につきそうなほど長い、如何にも悪い魔法使いみたいな爺さんは!? しかも偉そうな、長い杖まで持って。
「あなた、誰ですか一体!」
「ヒヒ。ワシはエルダーマジシャンのジョー!」
「ジョー!? なんだか、おしっこを漏らしそうな名前ですね!」
「おしっこ!? なんて失礼なヤツじゃ!?」
「よし、巫琴! お前が奴の気を引き付けておいてくれたおかげで、全員戦う態勢が整ったぞ!」
「戦う態勢だと!? ふざけるでない! あえてその時間をやったのよ!」
「割れろ、大地! そして、地の底から現れよ、スケルトンどもよ!」
「なんだ!? この激しい地震は!?」
「見ろ! アーサー。割れた地面から、剣を持ったガイコツどもが出てくるぞ!」
「相当な数よ!」
「ヒヒ。まずはこ奴らスケルトンの攻撃を防ぎきれるかの」
「巫琴さん……!?」
「大丈夫よ、フレデリック。あなたたちは空へ逃げてて」
「ペガサスの翼!」
「わかりました、巫琴さん。空で待機してます」
「なんだ!? あの巨人サイズのガイコツは!?」
「これは一筋縄ではいきそうにないわよ」
「その様だな。いくぞ! ライム、エミリ!」
「あたしも、いきますよぉーー! 魔法力を杖の先に込めてぇーー!」
目一杯、魔法力が溜まったらぁーー! あの悪い魔法使いまでーー!
「エイヤァ! 飛んでけぇーー!」
「ヒヒ。無駄じゃ」
ウソ……。あたしの魔法の攻撃を、そのまま吸収しちゃった……。
「どうじゃ。年寄りと、馬鹿にはできんじゃろ」




