食べ物の恨みは恐ろしいんです
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「ぶぅーーーっ!」
「どーしたの、巫琴ちゃん。そんなに怒って」
「みんな酷いじゃないですかぁーー!? 3人だけ、あのレストランの朝の限定メニュー食べてぇーー!?」
「なんだ。そんなことか」
「そんなことじゃないですよぉーー!? どーして、あたしのこと、起こしてくれなかったんですか!?」
「何度も起こしたわよぉ。でも、布団を抱きしめて、全然起きないから」
「そうだ。ワタシも何度も起こしたが、布団と仲良くお友だちになってたのは、巫琴だ」
「それに、お前が起きるのを待っていたら、あの限定20食のメニューを食べられなかったからな」
「まぁ。そこは何度起こしても起きれなかった、巫琴ちゃんが悪いわね」
「そうなるな」
「そうみんなに、はっきりと言われてしまうと、もう返す言葉もないですぅーー」
「そこは、運が悪かったと思うしかない」
運かぁーー。これって、アーサー様の言うように、運なのかなぁーー。
「それより、巫琴さん!」
えっ!? どーしたの、フレデリック!?
「ボクの鼻で感じるんです! 前から何か来ますよ! 感じません?」
そう言われてみれば、なにか陰気臭いオンナの気配を感じる。
空へ!
「アーサー様! ちょっと空から見てきます!」
「おい! どーしたんだ、急に!?」
「何か来ます!」
なんなのぉー!? あの汚ったない、センスない黒いドレス着たオンナはぁーー!?
こっちは気分悪かったの、ようやく納得しかけてたっていうのにぃーー!?
許せない!
「おい!? こら巫琴! 勝手に一人で、突っ走るな!?」
「大丈夫です! 任せてください、アーサー様!」
マッハで!
「フハハハハ! まさか、小娘の方から現れるとはな」
「はぁーーっ!? なにが小娘ですってぇーー!? もう、何百年生きたのか死んでるのかもわからないような、シワシワの婆が!?」
「お前……ずいぶんと口が悪いな。年上を敬うということを知らんのか」
「こっちは、朝の限定メニューが食べられなくって、イライラしてるんですぅーー!」
「なにを訳の分からないことを言っている!?」
「なんだっていいんですぅーー! 食べ物の恨みは、恐ろしいんですからねーー!」
「さっきから、話しの通じぬ小娘め! では、この死の歌姫、バンシーの死の歌声を聞くがよい!」
もぉーー! なんなのぉーー!? この泣き叫ぶような下手くそな歌声!? 頭痛ーーいっ!?
杖! また杖を忘れた!
「もぉーー! 杖よ、来ーーい!」
「そんな杖を手にしたところで、なんになる」
「フフッ。この杖を手にした、あたしは無敵なんですからねーー!
「ならば、来てみるがよい」
「せーーのーっ! 遠くまで、飛んでいけぇーー!」
「うぎゃーーー巫琴 なんだ、このチカラは!? こんな小娘の魔法に抗えないとは!?」
「小娘のじゃないですぅーー。巫琴ですぅーー! 憶えておいてください!」
「その憶えておくまえに、消滅してしまったがな」
「アーサー様!?」
「やっと追いついた! まったく、お前は、どーして、そんな勝手に突っ走る!? 心配したぞ」
「それにしても、巫琴ちゃんの魔法。パワーアップしてない?」
「確かに。前回は杖で殴り飛ばしただけだが、今回は杖から出た魔法のチカラで吹き飛ばしてたからな」
「あぁ。こいつの潜在能力は、まだまだ底がしれんな」
「なんですかぁーー!? エミリさんも、ライムさんも、アーサー様まで、まるであたしのことバケモノ扱いしてぇーー!? 酷いですぅーー!?」
「何を言ってる。お前は頼りになるって、みんなそう言ってるんだぞ」
「そうなんですかぁーー! それなら、許します。でも、食べ物の恨みは、まだ忘れてないですからね!」
「まだ言ってるのか……。わかったわかった。今度の村では、なにか美味いものを食べさせてやる」
「絶対ですからねぇーー! 約束ですよぉーー!」




