今更でした
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「さて、身体も十分温まったことだし、そろそろ上がろうかしら」
「ワタシも出る。さすがにのぼせそうだ」
「巫琴ちゃんも、一緒に上がる?」
「いや。あたしは久しぶりのお風呂が気持ちいいんで、もう少し入ってますぅ」
「そう。アーサーは?」
「ん。あぁ……。オレももう少し入ることにする」
「そう」
「なんだぁーー!? そのイヤらしい目は?」
「いえ。なんでも。それじゃ、ふたりだけの時間を楽しんでね。それじゃあね、巫琴ちゃん」
「はい……」
えっ!? いまエミリさん、ふたりだけの時間楽しんでって……。そんなこと言われたら、逆に緊張しちゃいますぅーー!
あっ!? でも、これだけまわりに人がいたら、別にふたりっきりっていうわけでもないかぁー。
アーサー様は? なんか、わざとこっちを見ないようにしてる。
「なぁ、巫琴」
えっ!? なに!? この流れは、もしかしての告白ぅーー!?
「はい……」
「実はな……」
おぉーー! これはひょっとして、もしかしてぇーー、本当にそのときが来たのかも!?
「実は……エミリはな」
えっ!? エミリさん?
「はい……」
「実は、内緒の話なんだが、実はエミリは……。実はエミリは、男なんだ! 今まで秘密にしていて、スマナイ!
「はぁ……」
そのことは、もうとっくの前に知ってますぅーー。
「へぇーーー。そうだったんですねーー。全ー然気づかなかったなぁーー」
でも、アーサー様のためにも、知らないふりぃーー。
「そうなんだ。だから……」
だから?
あっ!? アーサー様を、奥にいたエミリさんが指で呼んでる……。
あぁーー。あれは、絶っ対に怒ってる顔だ……。
「すまない。今のことは、全部忘れてくれ……」
「はい……」
あぁーーっ。アーサー様、エミリさんのところに行った……。
しっかりと正座させられてる……。
「お前。言ったよな! あたしの秘密は、誰にもしゃべるなって!」
「はい……」
「約束を忘れたか?」
「いえ……」
「だったら、わたしもお前の秘密をバラすぞ! お前が小さいときに、教室でウ〇コを漏らしたこと!」
あぁーーーっ。あのカッコイイ、アーサー様にも、そんな人に言えない過去がぁーー。
まぁ、あるあるといえば、あるあるだけど……。
「この通りです。そのことは内緒でお願いします」
あぁーー。アーサー様の土下座かぁーー。これもなかなか見れるものじゃないよねーー
ここはアーサー様の名誉のために、このアーサー様の秘密は、聞こえなかったことにしよう。




