巫琴の天敵
♢
「巫琴さん。来ますよ。巫琴さんが嫌いな奴らが」
「えっ!? どっちから来るの、フレデリック!?」
「左右からです」
「キャッキャッキャーーー!? 蜘蛛嫌ぁーーい! おまけに、あんなデッカイ!? しかもあたしが一番大嫌いな、黄色と黒の縞々《シマシマ》の女郎蜘蛛!? これだったら、毛むくじゃらのタランチュラの方がましぃーー!」
「これって!? アレか」
「ジャイアントスパイダーね」
「そのようだな。まさか6体も、気づかれずにここまで近くに来ていたとはな」
「そんな。ライムさん、そんな冷静に言わないでくださいよぉーー!?」
「なんでも大丈夫かと思ってた巫琴ちゃんに、まさかこんな弱点があったなんてね」
「エミリさんも、そんな冷静に言わないでください!?」
「蜘蛛だけは、絶対に無理なんですぅーー!」
「なら、馬たちと一緒に、結界でも張って下がってろ!」
「そんな、あたしだけ!?」
「しょうがないだろう! それに馬たちも一緒だ!」
「でも……」
「いいから!」
「お願いします、巫琴さん。ボクたち馬は、あんなのとは戦えません!」
「お願いよ、巫琴ちゃん!」
「頼みます、巫琴さん!」
「わかった! フレデリック、ポーラ、ビクター。あたしのまわりに集まって!」
結界魔法!
「みんなぁー! 頑張ってくださいねぇーー!」
「任せろ!」
アーサー様。頼もしく、そうは言ってくれたけど……。糸、糸、糸!? 蜘蛛の《クモ》の糸ぉーー!?
きもーーい!? お願いします! みなさん、早く倒してください!
「巫琴さん。興奮して、魔法力を使い過ぎないでくださいね。アンデッドたちも来ますよ」
「あっ!? そーだった。上手く魔法力をコントロール」
そーいえば、アーサー様とライムさんは、剣と斧の武器を持ってるけど、エミリさんはなにで戦うんだろ?
まさか。アーサー様も力では勝てないと言っていた、ゴリラみたいな怪力? まさかね。
「巫琴さん。それはどうやら違うみたいですよ。見てください」
「どれどれ。って、やっぱり、蜘蛛嫌ーーい!? きもーーい!?」
「そうじゃなくって、エミリさんですよ」
ん? なんか呪文みたいなの唱えてる。
「悪しき魂を天へと帰すため、精霊の名の下に、我に光の槍を与えよ」
あぁーーっ!? エミリさんの合わせた両手を広げた間から、銀色の槍が出てきたんですけどぉーー! おまけに先の方だけ、きれいに青白く光ってるぅーー!
なんかエミリさんの、あの槍の構え方かっこいい!
おっと、その前に。アーサー様が一匹を、頭から真っ二つにしちゃったよ!
ああーーーっ!? ライムさん、蜘蛛の糸に絡まれそう!?
って、その前に、回転して輪切りにしていったぁーー!
それでエミリさんは!? 串刺しですかぁー!
うわっ!? うおっ!? うっひゃーー!? みんな強ーーい! あっという間に全部倒しちゃったよ。
これからも、こんな蜘蛛が出たときは、みなさん頼みますねー。




