あらためて杖の使い方
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「ほら、巫琴。忘れ物だぞ。ちゃんと杖を持っていけ」
「杖ですかぁー。いまさら、どうして?」
「いまさらって。お前、魔法使いの爺に聞かなかったのか!? 杖には魔法力を集中させたり、増大させる役割があるんだぞ!」
「あっ!?」
「あっ!? って!? お前!?」
「すみませーーん。すっかり忘れてました。そういえば、最初に杖を持ったとき、そんなことを思ったような……。でも、なんか邪魔になっちゃって」
「邪魔にって、お前な!?」
「なんか、いかにも巫琴ちゃんらしいわね」
「ホントだな」
「爺は、お前は杖で殴るのは得意だろうと言っていたぞ」
「あっ!? そーいえば師匠、そんなことを言っていましたね」
「呆れた……。だが逆に、杖なしでも、あれだけの魔法が使えたっていうことだな」
「そう考えると、凄いわね」
「ホントだな」
「すみませーーん。ついつい杖を持つのが面倒くさくなっちゃって」
「まぁ、いい。それなら、爺にも言われてるだろうが、魔法力は抑えて戦うんだぞ。ただ何も考えずに使うと、魔法力をどんどん放出するからな」
「わっかりましたぁーー! そこは抑えて戦いますね!」
「お前、本当にわかってるのか?」
「心配ね」
「心配だな」
えっ!? なんか、みんなの反応が思ってたのと違う。
「えっとぉーー。それなら魔法力を、上手にコントロールして戦いますね」
これなら、どぉ?
「それなら安心だ」
「安心ね」
「安心だな」
なんか、どこかあたしって、いまいち信用されてない?
それなら、見せちゃいますよぉーー! あたしの本当の実力!
「それで巫琴。奴らはどこまで近づいてる?」
「えっとぉーー。あと2、3分ってとこでしょうか」
「もうそこまで来ていたのか。少々無駄話が過ぎたな、アーサー」
「あぁ。そのようだな、ライム」
「でも、その無駄話のおかげで、戦力が上がったんじゃないの」
「そうだな。そう願いたい」
アーサー様ぁーー。本当にあたしのこと、信用してくれてますぅーー。
「頼んだぞ、巫琴」
「ハイ! もちろんです!」
なんだかんだ言っても、あたしって頼りにされてるのかも。
ゾワッ。なんか嫌なのがいるぅーー。気配感じるぅーー。
「どうしたの、巫琴ちゃん。そんな震えて?」
「なんだ? 武者震いってやつか?」
「違うんです……。なんか、あたしの嫌いなものの気配が……気がついたらまわりにぃーー」
「なに!? それはなんだ?」
「それはぁーー。来る!? 絶対、アイツだ!?」




