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うっかり死んだら異世界転生しちゃいました! でもここにはイイ男が全然いませーん! そんなところへ、ドSの王子様が現れました!  作者: 志村けんじ


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追いかけてきた恋のライバル


「あのぉーー」


「なんだ? もう腹が減ったのか?」


「違いますよぉーー。さすがにそれはありませんよぉーー」


「なんだ? また馬たちが、なにかをしゃべっているというのか?」


「違いますよぉーー。いまは黙っててくれてます」


「じゃあ、なんだ?」


「あのぉーー。さっきから何者かに、あとをつけられてるみたいなんですけどぉーー」


「なに!? それは本当か!? だったら、もっと早く言え!」


「でも、ただあとをつけられてる気がするだけで、悪い感じとかしてないんですよぉーー」


「でも、そんなことを教えられたら、気にせずにはいられないだろ」


「そういうものなんですかねぇーー」


「まったく、巫琴ミコトちゃんたら」


「そんな、エミリさん。きれないでくださいよぉーー」


「その探知能力は素晴らしいが。これから、いつどこで、厳しい戦いが起こるのかわからんのだぞ」


「そうだ。ライムの言うとおりなんだからな。それで、何人がつけてきてるんだ? わかるか?」


「えっとぉー。一人ですね」


「一人!? たった!?」


「はい。気にすることのもない話しでしたかぁ?」


「いや。念のため、隠れて待ち伏せして様子を見よう。あの林の中で隠れるぞ」


 って、いきなり馬たちを走らせるって!? 隠れるんじゃなかったのぉーー!?


 あっ!? 慌てて、追いかけてきてる。これも作戦かぁーー。やっぱり、アーサー様って、頭もいいんだなぁ。


巫琴ミコト。静かにだからな」


 もぉーー!? そんなこと、言われなくてもわかってますよ!?


 あれ? あれは馬じゃなくって、ロバに乗った少年……。


「あぁーーっ!?」


「こら、巫琴ミコト! なにを大きな声を出してる!?」


「あのコ。少なくとも的ではないです」


「あの……。あたしが知ってる、ロトくんっていう、村のコだから……」


「本当か?」


「はい。間違いないです」


「しょうがないな。ちょっと話を聞いてみるか」


「そうね」


「しょうがないな」


「なんか、ごめんなさーい」


「お前が、謝るようなことでもないのだがな」


「それはそうなんですけどぉー。なんだか、謝らないといけない気がして」


「おい! そこの子ども! なんでオレたちのあとをつけてきている!」


「わわわわっ!? ビックリしたぁーー!? こら、暴れるな!」


「なんで、オレたちのあとをつけてきている?」


「あの……。巫琴ミコトサマのお供をしたくって」


 そんな!? アーサー様、あたしを睨まないでくださいよぉーー!? あたしだって、知らなかったんですから。


「で、どうして、こいつのお供をしたいんだ?」


 そんな!? アーサー様。あたしのこと、こいつ呼ばわりなんて!? ついさっきまで、名前で呼んでくれてたのにぃーー!?


「それは……。やっぱり、心配で」


「心配? こいつは、そこら辺の男どもより、はるかに強いぞ」


「それは、知ってます」


 そこは、否定しないんかぁーーい!?


「だったら、どうしてだ?」


「それは……」


「好きなのね」


「好きなんだろうな、巫琴ミコトのことが」


「そうなのか?」


 あぁーーっ!? アーサー様の顔。なんだか、不機嫌。やきもち? ひょっとして、やきもちを焼いてくれてますぅーー!


「だったら、なおさらダメだな。巫琴ミコト。お前が、責任を持って帰らせろ」


 なんだか、アーサー様、冷たーーい。でも、しょうがないよね。


「ごめん。ロトくん。ここは、あたしに免じて、このまま帰って。ここからは、本当に危ない橋を渡っていかないといけないの」


「でも、巫琴ミコトサマ!?」


「お願い! そうしてもらわないと、あたしが困るの。お願い!」


 せっかくここまで来て、アーサー様に嫌われたくない! ここは、ロトくんが、涙を飲んで。お願い!


「わかりました……。帰ります。みなさん、ご無事で」


「ごめんねー」


「いえ。すみませんでした」


「気をつけて帰ってね」


「はい……」


「良かったわねー。アーサー。恋のライバルが帰っていくわよ」


 えっ!? 恋のライバル!?


 それは、本当ですかぁーーー!?


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