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涼み 三句
情の気配が、景の中にふっと立ち上がる三句を置きました。
それぞれ、涼のある場所でのささやかな心の動きです。
お時間のあるときにどうぞ。
<1>
川涼み
立つ瀬と別れ
寂を知る
【解説】
夏の暑さに、涼を求めて川原に出かけて涼んだ。
遊んで、呑んで、片づけて、解散。
せせらぎに慣れた耳で川を離れれば、
静寂が待っている。
さっきまで一緒に遊んでいたあの人がいれば、
それはただの静となるのだろうか。
<2>
月涼し
相槌を打つ
アオバズクの声
【解説】
枕に伏せて誰にも聞こえぬ独り言。
言葉にならぬそれに、遠くで頷く声がする。
それで?
どうしたい?
そんなのは決まっている。
とりあえずは、寝るのだ。
<3>
団扇捨て
彼のそばに寄る
扇風機
【解説】
扇風機チャンスだ。
読んでくださり、ありがとうございました。
涼しさの中では、景と情の境目が少しだけ曖昧になります。
その曖昧さを三つの形で描いてみました。
また静かな一句を置きに来ます。




