『跣(はだし)』三句
足の裏が覚えている夏。
素足で触れた夏の温度を、三つの景にして並べました。
どれもささやかな想い出です。
<1>
氷噛む
互いに顰める
跣の熱と
【解説】
友人と2人で海に遊びに行った。
かき氷を買って浜辺ではだしになる。
日差しは強く、足裏に感じる砂は熱い。
かき氷、溶けてしまう前にと急いでかき込んだため、
アイスクリーム頭痛を起こしてしまった。
頭痛と足裏の熱さのダブル刺激に顔をしかめながら、
隣を見ると友人もまったく同じ様子。
目が合う。互いの顔を見て笑いあったよ。
==余白de川柳==
足裏に砂 ざらり運び屋 にゃあとなき
<2>
水眼鏡
見ゆるは鰍か
跣の指か
【解説】
夏休みに親の実家、山間の田舎へ。
そこで近所の子供らと川へ泳ぎに行った。
道具を借りて初めての鰍突き。
水中眼鏡を着け、鋭いヤスにビビりながら、
へっぴり腰で川に浸かる。
川の流れに体も腕もヤスも揺らぐ。
鰍はいるのだが、狭い視界に自分の足の指が入り、
どうにも怖くて突けない。
その隙に鰍は逃げちゃうし。
遠いけれど、未だ鮮やかな夏の想い出。
==余白de川柳==
夕涼み 揚げた鰍に 塩を振り
<3>
かがむ影
皴々の指を揉む
プール開き
【解説】
プール休憩の笛が鳴った。
多少のけだるさを感じつつ、座って休む。
その時に、足の指がふやけてシワシワになっていることに気付き、
指でプニプニしてみる。
それを遠目で見ていた。
今年初めてのプールに、気分を悪くして屈み込んでしまったかに見えたが、
そんな様子とわかってホッとした。
==余白de川柳==
ソーダアイス 舌の青さも 分かち合い
読んでいただき、ありがとうございました。
別サイトの企画での作品でした。




