↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
獄門ループ ―家族が消えた日―  作者: ダダ太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

165/259

屋上にて

とりあえず俺は、郁美に見つからないよう

教室を足早に抜け出し、

そのまま男子トイレの個室へと滑り込んだ。


――しばらく籠城。


時間だけがじりじりと過ぎていく。


そして、スマホの時計が16時45分を示したところで、

そっと外の様子を窺いながら個室を出る。


廊下には、部活へ向かう連中が行き交っていた。

だが――郁美の姿はない。


……よし。


胸の内で小さく呟き、

俺は気配を殺しつつも足早に歩き出す。


目的地は、C館の屋上。


神経を張り詰めながら階段を上り、廊下を抜け、

――やがて、屋上へと続く扉の前に辿り着いた。


ここまで来れば、あと一歩。


周囲を最後に確認し、

そっとドアノブに手をかける。


ガチャリ――


静かな音を立てて扉を開いた、その先。


そこに立っていたのは――


黒髪ロングの桜、ではなく。


夕陽を受けて淡く光る、金髪のショートヘア。


そして――


にこり、と。


逃げ場を塞ぐような笑みを浮かべて、

郁美がこちらを見ていた。


「なん……で……」


理解が追いつかず、思わず声が漏れる。


「ん?どうしたの、達也くん」


いつも通りの、やわらかい声。

けれど、その違和感が逆に不気味だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。