03話 始原の12騎士と魔法世界リリアル
城の中を歩いていると、広い空間に出た。
そこには異質な石像が13個置いてあり、僕はその石像を眺めた。
「石像? 何これ…文字が読めない。」
先を歩いていた刹那さんは僕の元に駆け寄るとその像の事を語った。
「あぁ…これね。これは始原の12騎士の像だよ。」
「始原の12騎士?」
「そう始原の12騎士。この騎士たちは、先代零の神、レイナより直々に力を授かり、忠誠を誓った騎士達なんだよ。」
「へぇ〜。凄い人たちなんだね。」
「そうだよ。12騎士には序列があって、1から12まであるその序列は、純粋な強さだけでなく、どれだけ先代零の神の力となったのかを示しているんだ。ちなみに序列零位は先代の事だよ。」
「その12騎士達ってどんな人達なの?」
「じゃあ、その12騎士達を全員説明するね。」
「序列1位 英雄 ゴッドG」
「序列2位 失われた王冠 ロストエンブレム」
「序列3位 覇帝女皇 キングクイーン」
「序列4位 選ばれ抜かれた1人 センテンスオブワン」
「序列5位 厨二病 バッドクレイジー」
「序列6位 乙女 オトメン」
「序列7位 最速最遅の正義 ジャスティーセブン」
「序列8位 調停の律師 プロミスミスト」
「序列9位 賭者 ギャンカジノ」
「序列10位 王婆婆 オバーバ」
「序列11位 怠者 ハイパーニート」
「序列12位 極医師 マスタードクター」
「って人達で、それぞれがとても強大な力を持っているんだ。」
「へ…へえ〜。覇帝女皇とか、なんか凄い力を持ってそう。」
「確かにキングクイーンは12騎士の中でも結構異質だからね。」
そんな感じで話していると1つ、疑問が浮かんだ。
あれ…12騎士だよね? でも像は13個。どういう事だろう…先代の零の神の像かな? 聞いてみるか
「ここにある13個の像のあと1個の像は先代零の神の事?」
「いんや…先代零の神の像は違う所にあるよ。」
「え? じゃあ、最後の像は?」
刹那さんは真ん中にある一際大きな像を撫でながら答えた。
「今はね、英雄 ゴッドGが衰えてゴッド爺になって引退して、その後釜が1位に付いたんだ。」
「普通なら2位の人が1位になるんじゃないの? もしかしてそれだけその後釜が凄かったのかな?」
「確かに強いよ。あいつは。」
刹那さんは続け様に言い放った。
「現12騎士序列1位 一番星 ザ・ワン。あいつは圧倒的な強さとは別に12騎士を…私達を裏切った敵だよ。」
刹那さんから静かな怒りを感じた。
僕は気まずい雰囲気の中、門へと歩いた。
♢
門に着いた。
門は白くて、とても神々しく、様々な飾りが付けられていた。
「ここから…行くのか。魔法世界リリアルに。」
「リリアルに着いたら空にいると思うから、そこから階段を降りて地上に向かうと良いよ!」
「空? 地上じゃなくて?」
「そだよ〜。空から行くのは地上に影響を与えない為なんだよ!」
そして門は白い光と共に開く。
「いざ、魔法世界リリアルへ!」
そうして僕達は魔法世界リリアルに降り立った。
♢
ビュォォォォォォォ
強風が吹いている。
「刹那さん…これって、落ちたらどうなるの?」
「ここは光の階段だから落ちるとかはないよ! 落ちそうになっても、そこが光の階段になるから。」
僕達が階段を降りていると突如、見たこともない生物が横切った。
ギャオオオオオオオオ
「な…何あれ? ドラゴン? でも違うような…」
「あれは竜殺しだよ。主に竜を捕食する魔物で、地域によっては神として崇められているんだよ。」
「そうなのか…って、それよりも風が…」
「あはは。確かに風が凄いね。まぁその内、慣れると思うよ。」
僕達は地に足をつけた。
「ここから一番近いのは、魔法先進国アルカの首都、王都アルカイルだね! さっそく行こうか!」
「うん。」
刹那さんがウッキウキで主導して歩くと、意外にも30分ほどで着いた。
♢
街では検問がされていた。
「次。次。次。次。」
「凄い人だかりだね。このまま行けば、40分ぐらいここで待たないといけないんじゃない?」
「まぁ、この国は、この世界の中でも2大国家と言われるほど凄いところだからね。それに、今この国は戦争してるし……」
聞き捨てならない単語が聞こえた気がした。
「―――っえ? 戦争? 嘘だよね?」
「ほんとだよ。この国は今、世界2大国家の1つ、剣舞大国ノストンと戦争してるよ。だから王都に避難する人達や、この機会に商売をして荒稼ぎしようとしてる人達で溢れているんだよ!」
「それって危険じゃないの?」
「近くの街とか、小国に居るよりはマシだと思うよ。まぁ、この国は負けるんだけどね。」
「…っえ? っえ? 今なんて言った? この国って負けるの?」
「そうだよ。まぁ、2ヶ月後ぐらいだけどね。」
「……嘘だろ」
「あれだったら、私が少しだけサポートするけど…どうする? 実際、10傑の一人の偵察のプロ『隠形のレント』がここから13キロぐらい離れた所に居るし………」
「そ…そんな強そうな人が近くに? サポートって刹那さんならなんとかできるの?」
「できるよ。まぁ、優夜くんからのお願いだったらするけど…」
「お願いします!」
僕は頭を下げて頼んだ。
「よろしい!」
刹那さんはそう言うと目つきが変わった。
おそらくこれが原因だったのだろう。
僕達がこの国の戦争に巻き込まれたのは。
この時の僕は、あまりの必死さにそれを理解していなかった。
執筆リズムを整えるため、今後は1話3000文字前後を目安に更新していきます!
本作は、連載中の本編『配神者』と深くリンクしています。あちらを読んでから本作を読み返すと、より世界観の「裏側」を楽しめるはずです。
次回は明日20時頃に投稿します。お楽しみに!
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