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婚約破棄、承りました。ですが私の管理していた「国家予算」「精霊の加護」「魔導防衛網」は全て私有財産ですので、回収させていただきますわね?  作者: 桐谷ルナ


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第36話:「真の主人公」への是正勧告:その幸運、不当利得として没収しますわ

第77並行世界。そこは、世界そのものが「一人の少女」を愛でるために構築されたような、極めて偏った「乙女ゲーム的」な因果律を持つ世界だった。


「わあ! こんなところに伝説の聖剣が落ちてるなんて! 私、運がいいなあ!」


 お花畑の真ん中で、天真爛漫なヒロイン・フローラが、数千年の封印を「うっかり」躓いた拍子に解いてしまった。

 本来なら、ここで彼女を助けた五人の王子たちが「君こそが真の聖女だ!」と跪き、逆ハーレムが形成される……はずだった。


「――ストップですわ。……その聖剣、および周囲の『幸運フラグ』。……たった今、帝国の資産として差し押さえさせていただきますわ」


 空から黄金の階段が降り立ち、扇を優雅に揺らすエリザベートが、冷徹な事務官セレーネを連れて現れた。


「えっ……? 誰……? 私、これから王子様たちと幸せになるプロットなんだけど……」


「プロット? ……あら、失礼。……貴方の仰るその『脚本』、精査いたしましたが、明白な『不当景品類及び不当表示防止法違反』ですわ。……セレーネ、この娘の資産状況を読み上げなさい」


「は。……フローラ氏。これまでの『偶然の幸運』による獲得資産:伝説の武器3本、王子の寵愛5名分、聖女の魔力(無償供与)。……これら全て、正当な努力コストを支払わずに得た『不当利得』、および『運命の過剰債務』と認定されます」


 エリザベートは、フローラが握っていた聖剣を指先一つで弾き飛ばした。


「いいですか、お嬢さん。……努力も対価も支払わず、天から降ってきた幸運だけで人生を謳歌する。……それは経済学的に見て、宇宙のエネルギーを一方的に浪費する『寄生行為』に他なりませんの」


「な、何よ! 私が主人公だから、みんな優しくしてくれるのよ! 運も実力のうちでしょ!?」


「運は実力ではなく、単なる『前借り』ですわ。……そして本日、その借金の『一括返済期限』が参りましたの」


 エリザベートが指を鳴らすと、フローラを囲んでいた五人の王子たちの瞳から、ボロボロと「魅了の魔力」が剥がれ落ちていった。


「……ん? 私はなぜ、こんな平々凡々な女に跪いていたんだ?」

「聖剣を拾ったからといって、なぜ国宝を譲ろうとしたのだ……? 正気か、私は」


 正気に戻り、困惑する王子たち。

 エリザベートは、腰を抜かしたフローラを見下ろし、一枚の「納付書」を突きつけた。


「貴方がこれまで享受してきた『ヒロイン補正』。……これを金銭換算し、さらに無許可の幸運享受に対する『重加算税』を課した結果……。貴方は今日から、帝国の最下層労働者として三百年間働いても返せないほどの『借金まみれ』になりましたわ」


「そ、そんな……! 私のハッピーエンドは!? 王子様たちとの逆ハーレムは!?」


「逆ハーレム? ……あら、人材の『不当な囲い込み』は独占禁止法違反ですわ。……王子たちは帝国の『多次元インフラ開発部』へ強制再配置。貴方は……そうですわね。……その幸運を使い果たした反動で、これからは『歩くたびに石に躓く呪い』でも受けながら、地道に草むしりでもなさることね」


 女帝の冷酷な是正勧告。

 それは、努力なき幸福を「搾取」と断じる、全宇宙で最も厳しい「運命の公正取引」であった。

「ご都合主義」という名の脱税を許さず、

ヒロイン補正を「不当利得」として没収する……。

これぞ、エリザベート様による、全宇宙の「公平性フェアネス」の維持ですわね。

「主人公だから」という言い訳が通じない、理詰めのざまぁに痺れていただけましたら、

ぜひ【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価で、帝国の「幸運税務署」を応援してくださいな。


皆様の評価がある限り、エリザベート様は宇宙の「ご都合主義」を差し押さえ、

「努力した者が最も報われる」という健全な市場を完成させられることでしょう。

次回、第37話『運命の強制執行:ヒロインの「逆ハーレム」を独占禁止法で解体なさい』。

王子たちを「私物化」していたヒロインを、人材の私的独占でさらに追い詰めます。

お楽しみに。

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