表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄、承りました。ですが私の管理していた「国家予算」「精霊の加護」「魔導防衛網」は全て私有財産ですので、回収させていただきますわね?  作者: 桐谷ルナ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/50

第34話:ホラー世界の再開発:幽霊の「不当労働」と「居住権」を巡る紛争

第13並行世界。そこは、呪われた屋敷や怨霊が跋扈し、人類が「恐怖」によって精神を削られ続ける、生産性の極めて低いディストピアだった。


「キ……キサマ……モ……コロ……ス……」


 古びた井戸から這い出してきた、髪の長い女の怨霊。

 彼女が放つ負のオーラは、周囲の空間を歪め、常人なら視界に入っただけで発狂するほどの絶望を撒き散らしていた。

 だが、その怨霊の前に、優雅に日傘を差したエリザベートが降り立つ。


「――あら。随分と、身なりの整わない社員(?)がいらして。……セレーネ、この方の『就労状況』を調べなさい」


「は。……この怨霊、過去三百年にわたり、この屋敷に侵入した人間を驚かせ続けておりますが、給与の支払いは一切確認できません。……さらに、ここを『自分の家』と主張しておりますが、固定資産税の滞納額は利息を含め、国家予算規模に達しておりますわ」


「三百年間、無給で不法占拠……。あまりにも、救いようのないブラック体質ですわね」


 エリザベートは扇を広げ、怨霊に向かって冷淡に宣告した。


「貴女。……人間を驚かせることで得られる『負のエネルギー』の変換効率を計算したことがおあり? ……貴女のその三百年の労働、私の帝国が運営する『魔導発電所』なら、わずか三秒の出力にも及びませんわ」


「ア……ガ……アア……ッ!」


 怨霊が襲いかかろうとした瞬間、カエルス皇帝が漆黒の剣を鞘に収めたまま、その怨霊の「因果」を足蹴にした。


「――物理無効? ……そんな甘えが、我が妻の支配する宇宙で通じると思うな。……概念を固定した。今、貴様はただの『実体を持つ不法占拠者』だ」


 カエルスの覇気によって強制的に肉体化させられた怨霊は、地面に転がり、初めて「物理的な痛み」に戸惑いを見せた。


「さて、幽霊さん。……貴女に二つの選択肢を差し上げますわ。……一つ、このまま不法占拠と脱税の罪で、魂の根源まで差し押さえられ、消滅(破産)するか。……二つ、私の帝国の『ホラー・テーマパーク部門』に再就職するか」


「就……職……?」


「ええ。シフト制を導入し、適正な魔力給(福利厚生)を支給いたします。……貴方の『恐怖』を、娯楽という名の『クリーンエネルギー』に変換するのですわ。……無許可で殺すのは犯罪ですが、合意の上で驚かせるのは『サービス業』ですもの」


 エリザベートが指を鳴らすと、呪われた屋敷の周囲に、巨大な工事用フェンスと「再開発予定地」の看板が次々と立ち上がった。


「呪いのビデオも、すべて著作権登録と有害コンテンツとしての配信規制を完了しました。……これからは、私の許可なく勝手に人を死なせることは許しませんわよ。……さあ、契約書にサインをなさいな」


 その夜、大陸最大の「心霊スポット」は、帝国が運営する「世界一安全で高収益な絶叫リゾート」へと生まれ変わる準備を開始した。

「怨霊」を「実体化」させて「サービス業」に就かせる……。

これぞ、エリザベート様による、生者も死者も逃がさない「全次元雇用」ですわね。

「死後の無賃労働」を許さない女帝のホワイト経営に痺れていただけましたら、

ぜひ【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価で、帝国の「心霊再開発」を応援してくださいな。


皆様の評価がある限り、エリザベート様は宇宙のあらゆる「怪異」を資源として管理し、

「お化けですら納税する」という完璧なガバナンスを築かれることでしょう。

次回、第35話『皇帝の独占欲:全宇宙の時間を止めても、貴女の「5分」が欲しい』。

あまりにも働きすぎる女帝に、カエルスが「強硬な有給休暇」を要求します。

お楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ