42 まな板と包丁
三月を迎え、ルミナス魔法学院の広大な敷地には、満開の魔導桜が温かい春風に舞い散り、最高学年・三年生たちの『国家合同卒業大祝祭』の当日がやってきていた。
数々の理不尽な危機や大騒動を、人里離れた山奥にあり、今や誰も知らない土の下に没した実家「天照神社」の蔵から現れた付喪神たちと共に爆発的なハッピーエンドへと塗り替えてきた天照ひよりは、胸に卒業の証である桜色の胸章をつけ、最高の笑顔を輝かせていた。
「卒業、卒業式だね!、広島の呉のれんが通りのお菓子屋さんでもね、三月になるとピンク色で可愛い桜もちや甘酸っぱいイチゴの和パフェがたくさん並ぶ最高の季節だけど、ルミナス魔法学院の卒業式も絶対に負けてないよ!
なにしろ、今日の卒業パーティーを三年A組全員で無事に大成功させたら、学園の特級厨房から『三月限定・卒業&門出祝・完熟イチゴと特大三色桜もちの豪華和パフェ&黄金魔物ロースト・おかわり自由手形』が授与されるんだから! サクサクのパイと特大もちもちの三色桜もち、そこに完熟イチゴと濃厚な練乳がどっかーんと乗った和パフェに、ジューシーに焼き上げられた特大の黄金魔物ローストステーキ……!
これはもう、広島県立女子高生としての私のすべての胃袋の情熱と、我が実家の天照のお宝たちの力を合わせて、絶対にみんなで最高の卒業パーティーを完成させて、未来へのハッピーエンドを掴み取るしかないよね!」
春の陽光に卒業生の黒い魔導アカデミックドレスの裾を揺らしながら、天照ひよりは手にした木製の特大しゃもじを桜舞う春空へ力強く掲げ、三年A組の仲間たちに向けて元気いっぱいに大声を張り上げていた。
「おいおい、天照! 朝っぱらから卒業パーティーへの執念が凄まじい魔力となって、中庭の魔導桜の絨毯を竜巻みたいに舞い上がらせてんぞ! だが、本当に三年A組四十人全員、一人の脱落者も出さずに晴れて卒業できたんだな……! それもこれも、君が今まで僕たちを引っ張ってくれたおかげだ!」
ツンツン頭の少年――胸に三年生最高の金色の卒業章を輝かせたルファスが、何枚もの卒業証書の筒を抱えながら、感極まったように目頭を熱くしてハチマキを締め直していた。
「ひよりさん、ルファスさん! 本当に卒業おめでとうございますぅ! ひよりさんがさっき大聖堂の壇上で『私は卒業したら、誰かの妻にもお城のお役人にもならず、冒険者として世界中の美味い魔物料理を研究するよ!』って堂々と宣言した時、全校生徒と王宮の偉い人たちが大拍手してましたぁ! ミーナ、感動で尻尾の毛がパチパチしちゃいましたぁ!」
犬耳の少女ミーナが、ふさふさの尻尾をプロペラのように激しく振って涙を拭いながら、ひよりに飛びついて抱きついていた。
「ひよりお姉様……! ご卒業、本当におめでとうございますわ! お姉様が『冒険者になって世界中の魔物料理を研究する』という新しい夢に向かって旅立たれるお姿、世界で一番かっこよくて、美しくって……私、お姉様のファンになって本当によかったですわ!」
一年生の新入生代表から最高学年へと進級する第一王女セシリアが、極光の瞳にポロポロと感激の涙を浮かべながら、ひよりの袖を握りしめた。
「ふむ。 三年A組全員が無事に卒業を果たし、自らの志す『魔物料理研究家&移動よろずお助け屋』としての第一歩を刻むか。 三年間の集大成にふさわしい、見事な門出のプロットだな。 だが、卒業パーティーの特設大ホールから漂ってくるあの異質な魔力……どうやら最後の最後に、パーティーのメインディッシュを台無しにしようとする理不尽な料理バグが発生したようだな」
私はひよりの帯に差し込まれた竹定規の竹千代の影から、依り代である文机を精神体として小さく出現させ、滑らかな万年筆の先から透明なインクを走らせながら静かに告げた。
私の名は『硯水』。 災害によって土の下に没し、今は誰も知らぬ人里離れた山奥の天照神社で、千年の間、人間の様々なる「頑固な食材や肉を綺麗に裁ち切る知恵」「グラグラとブレない平坦な土台で素材を受け止める技術」「どんな門出の祝宴であっても、美味しい料理で人々を笑顔にする情熱」の歴史を見つめ続けてきた、文机の付喪神だ。
「そうだよ、硯水さん! 呉の学校やお台所でもね、美味しいお料理を作る時は丈夫なまな板の上に食材を乗せて、切れ味のいい包丁でトントン叩いて綺麗な形に切るのが決まりだったんだもん! 卒業パーティーの美味しいご馳走を邪魔しようとするバグなんかに、私の門出もみんなのお祝いも台無しにされてたまるかぁぁぁーーーッッ!!」
天照ひよりが力強く拳を握りしめ、豪華な飾りが施された卒業パーティーの大ホールへと、堂々たる足取りで第一歩を踏み出した。
第二章:暴走するメインディッシュ! 呪いの古鍋と肉スライム
「ハハハ! 卒業など許さん! この学園の調理場に数百年間眠っていた『呪いの古鍋』の怨念を見よ!」
パーティー会場の大ホールの中心で、銀の特大ドームから異臭を放つ禍々しい紫色の煙がモクモクと噴き出した。 会場のメインディッシュである、全高三メートルを超える『超特大・黄金魔物牛のロースト』に、学園の地下倉庫に放置されていた古代の呪い調理器具が取り憑き、肉全体がグニャグニャと不気味に蠢き始めていたのだ!
「この肉は我が怨念により、あらゆる包丁や魔法を弾く『絶対弾力・暴走肉スライム』と化している! 卒業生も在校生も全員、この蠢く肉スライムの波に呑み込まれ、パーティーごとドロドロに埋め尽くされるがいい!」
ドロドロドロドロッ!
暴走する肉スライムが巨体を弾ませ、会場のテーブルやケーキスタチューを押し潰しながら、卒業生たちに向けてドバドバと迫り出してきた!
「くっ! 僕の火炎魔法を叩き込んでも、肉の弾力に弾き返されて表面が焦げるだけで火が通らないぞ!」
ルファスが放った炎の弾が、肉スライムの強力な弾力によってボヨンッと弾き返され、天井のシャンデリアを揺らす。
「ひよりさん! 肉スライムが広がって、ミーナたちの卒業記念ケーキまで呑み込もうとしてますぅ!」
ミーナが悲鳴を上げる。 セシリア王女も「みんなの卒業パーティーが……お姉様のご馳走が台無しになってしまいますわ……!」と顔を真っ青にさせていた。
「硬くてボヨンボヨン弾むからって威張ってるんじゃないわよ! どんなに暴れて固いお肉だってね、ドシッと平らなまな板の上に固定して、包丁で繊維に沿ってサクッと切っちゃえば、最高に柔らかくて美味しい極上ステーキに生まれ変わっちゃうんだからね!」
ひよりの日常防衛本能(異常なまでの肉へのリスペクトと三色桜もちパフェへの執念)が、極限の出力で爆発した。
「天照天照、その通りだ。 世界がどれほど呪いの古鍋で肉の繊維を膨張させ暴走させようとも、人間の『重厚な一枚板で作られた絶対にブレない平坦な受け皿と、出刃や柳刃の刃先で肉や魚の繊維を完璧に見極めて切断する』という日常の調理と裁断の規律の前には、古鍋が仕掛けた不当な肉スライムなど一歩も侵入できない。 天照の神社の東の第十四蔵の引き出しの奥――
昭和や平成の時代、人里離れた山奥の神社で大祭の直会や家族の料理を作る際、歴代の家族の手によって何万回も大きな食材を受け止め、見事に切り分けてきた、あの『絶対平坦・包丁裁断道具たちの総力戦』を発動するのだ!」
「東の第十四蔵の、平らに受け止めてサクッと切る道具……あ! お母さんやおじいちゃんが神社の大きな魚や肉を仕込む時に『これがあると刃がブレないんだ』って重宝していた、あのズッシリ重くて木目が美しい一枚板の木製まな板! 性に、お父さんがお祝いの時のお刺身やお肉を『引き切りで切ると舌触りが最高になる』って大切に研いでいた、あの鋼鉄の出刃包丁と柳刃包丁!」
「そうだ。 あれらは、世界を滅ぼす破壊魔法ではない。 だが、人間の『どんなに暴れて切りにくい食材であっても、正しき台の上に固定し、刃を入れれば、世界で一番美味しいご馳走へと生まれ変わる』という、あまりにも力強い生活の知恵から生まれた道具たちだ。 ひより、彼らを呼び出して、その暴走する肉スライムを、世界で最も柔らかくジューシーな『黄金魔物ロースト&ステーキディナー』へと、今すぐ強制再構築してやれ!」
第三章:新付喪神現る!「まな板の絶対受皿と包丁の繊維切断」
「デッドストック、最大出力起動! 我が実家の天照の蔵の奥、どんな暴れる食材も絶対に許さず、最高の料理に仕込んできた、最強の調理コンボ、おいで!」
ズガァァァァァン!!! ドスッ! トントンッ! サクッ! シュババババッ!
空間に、樹齢数百年のイチョウの一枚板で作られた重厚な木製まな板が地響きと共に『ドスッ!』と力強く接地して肉スライムの暴走を受け止める頼もしい音と、研ぎ澄まされた鋼鉄の刃がトントンッ! サクッ! と軽快に肉の繊維を断ち切っていく、あまりにも頼もしい『調理と裁断の音』が響き渡った。
光の中から出現したのは――天照家で長年大切に使い込まれ、刃当たりが優しく包丁傷を受け止めながら絶対的な平坦を保ち続ける『高級イチョウ材・特撰一枚板まな板』と、出刃と柳刃の二本組で寸分の狂いもなく食材を切り分ける『特撰ハガネ・料理包丁』の一対だった。
「おやおや、随分と行儀の悪い跳ねっ返りの肉だねぇ! ボクの平らな体の上で、おとなしくまな板の上の鯉……じゃなくてお肉になってもらおうかい!」
まな板の木肌から立ち上る、どこか懐かしいお台所のイチョウと清らかな水の芳しい香りと、整えられた空間の煙の中から現れたのは、頑丈な前掛けを着て、手に巨大な木製まな板を構えた力強い職人肌の青年の姿をした付喪神――
名を『板蔵』という。 千年の間、人里離れた山奥の天照神社で大祭の神饌や肉・魚を「絶対にブレない安定感で受け止める」という絶対受皿の執念から神格を得た、まな板の付喪神だ。
「そしてそしてぇ! ボクの刃で、肉の繊維を最高に柔らかくサクサク切ってあげるよ、ひよりちゃん!」
包丁の鞘から、ピョンと飛び出してきたのは、頭に大きな出刃包丁の帽子をかぶり、両手に研ぎ澄まされた刃物刀を構えた、チャキチャキとした少年職人の姿をした付喪神――
名を『刃切丸』という。 彼は、神社や家庭で「どれほど固い食材であっても、繊維に沿って一瞬で極上の切り口にする」という絶対裁断の規律を司る、包丁の付喪神であった。
「板蔵さん、刃切丸君! あの暴走してる肉スライムをまな板の上でガチッと受け止めて、柔らかい極上ローストステーキに仕込み直して!」
「おう、任せときな、ひよりのお嬢さん! ボクの体が受け止める衝撃はね、呪いの暴走だろうが肉の弾力だろうが、一瞬で『調理しやすい平坦な食材』として固定するのさ! ――【神域受皿・絶対平坦イチョウ大受(しんいきうけざら・ぜったいへいたんいちょうだいうけ)】!」
板蔵が、自らの本体である特大一枚板まな板を会場の中心に『ドスドスン!』と力強く叩きつけた!
ドスゥゥゥゥン!!!
その瞬間、大ホール全体を埋め尽くそうとしていた巨大な暴走肉スライムが、板蔵の放つ「絶対受皿の平坦バリア」に引き寄せられ、まるで磁石に吸い付けられるように板蔵のまな板の上へとピタッと固定されてしまったのだ! 肉スライムの不当な弾力と呪いが、板蔵の重厚な平坦さに触れた途端、ただの「仕込みを待つ最高級の柔らかい塊肉」へと物理的に属性を強制変換されてしまったのである!
「な……なにぃ!? 我が呪いの肉スライムの暴走弾力が、ただの『木のまな板の上』で完全に動きを止められただと……!?」
呪いの古鍋が絶叫する。
「それだけじゃないよ! ボクの刃で、肉の筋と繊維を最高にジューシーに裁断! ――【神域裁断・三徳出刃絶対黄金一閃(しんいきさいだん・さんとくでばぜったいおうごんいっせん)】!」
刃切丸が、驚異的なスピードでまな板の上の巨大肉に向けて舞い上がり、両手の料理包丁を空中からトントンッ! サクッ! サクサクサクッ! と光のごとき疾風のスピードで振るった!
サクババババッ! トントンッ!
不思議なことに、刃切丸が刃を入れるたび、肉の中に潜んでいた呪いの古鍋の怨念バグが一瞬で切り離されて消滅し、固かった肉の繊維が完璧にほぐれていったのである! それどころか、刃切丸の職人技によって、巨大な肉が一瞬にして『一口サイズの最高級ジューシーローストビーフ&特大厚切りステーキ』へと見事に切り分けられ、お皿の上で香ばしい黄金の肉汁を滴らせ始めたのだった!
「ああっ!? 暴走していた肉スライムが、世界一美味しそうな黄金ローストディナーに変身したぁぁぁ!?」
呪いの古鍋が綺麗に除霊されて降伏する中、料理のバグは完全解決し、大ホール全体に香ばしい極上のお肉の匂いが立ち込めたのだった。
第四章:さよなら学院と「門出祝・三色桜もちパフェ大食い大祝宴」
「さあ、三年A組のみんな、そして全校生徒のみんな! 最高のご馳走は完成したよ! 卒業パーティーを思いっきり楽しもう!」
ひよりの元気な号令と共に、大ホール全体から割れんばかりの大歓声と拍手が巻き起こった!
「す……凄い! 暴走していた肉が、今まで食べたどの高級肉よりも柔らかくてジューシーだ!」
「天照先輩、最高の卒業パーティーをありがとうーーーッ!」
「三年A組、万歳! 天照先輩、万歳!!」
会場全体が涙と笑顔の感動に包まれ、三年A組の仲間たちも、在校生たちも、全員で最高のご馳走を抱えて大はしゃぎで卒業を祝ったのだった。
そしてパーティーの熱気が最高潮を迎える中、会場中央の最高級特等席。 ひよりたちのテーブルの上には、ついに勝ち取った約束の報酬――学園特級厨房から授与された、高さ一メートルを超える巨大な『三月限定・卒業&門出祝・完熟イチゴと特大三色桜もちの豪華和パフェ』がドカンと鎮座していた!
「おいしーーーい!!! 何これ! サクサクのパイ生地とモチモチの三色桜もち、そこに完熟イチゴの甘酸っぱさと濃厚な練乳が口いっぱいに広がって、広島の呉のれんが通りで食べるどんな春スイーツより身体の芯までハッピーが染み渡るよ!」
ひよりは特大のスプーンを持ち、三色桜もちと完熟イチゴが山盛りになった和パフェを豪快にすくって頬張り、ジューシーな黄金ローストステーキをガブリとかじって、とろけるような笑顔を爆発させていた。
「フ、フン、相変わらずの凄まじい食欲だな、天照。 ……だが、本当に君は卒業して冒険者として旅立つんだな。 ……だったら、決めたぞ! 僕も公爵家の跡取りとして……いや、一人の冒険者の『永久専属依頼人』として、君の旅にずっとついていく! 君がどこへ行こうと、僕が君の隣で一番美味しいものを一緒に探して守ってあげるさ!」
ルファスが顔を真っ赤にしながら、胸の金色の卒業章を誇らしげに揺らし、力強く宣言した。
「ひよりさん、ルファスさん! ミーナも、ひよりさんの冒険者パーティの先導役として、どこまでも一緒についていきますぅ! 世界中の美味しい魔物をいっぱい見つけるですぅ!」
ミーナも鼻の頭にきな粉と練乳をつけながら、ふさふさの尻尾をプロペラのように振って大喜びしていた。
「ひよりお姉様! 私も王宮から、お姉様の冒険者パーティへ無限のお世話と特級依頼を送り続けますわ! どこへ行かれても、お姉様は私の自慢のお姉様ですわ!」
セシリア王女も涙を拭い、満面の笑顔でひよりにギュッと抱きついた。
「ふむ。 暴走する肉スライムをまな板と包丁で極上ステーキに調理し、三年A組全員で無事に卒業を果たして極上の和パフェを大食いする。 これ以上ない完璧で感動的な『三月・卒業&門出大祝宴』プロットだな、天照ひより」
私は文机に向かい、この『第四十二幕・三月の卒業式編』の最後の一ページに、満足のいく文字を刻み終え、万年筆を静かに置いた。
「推敲は終わった、硯水さん?」
ひよりがテラスから差し込む、舞い散る魔導桜と温かい春の陽光を見つめながら覗き込んでくる。 私は微笑み、表紙に力強い文字でこう書き込んだ。
『名もなき神社のデッドストック・第四十二幕~三月の門出卒業式・暴走肉スライムバグを、まな板の絶対受皿と包丁の黄金裁断により、極上ローストステーキへ調理して特大三色桜もち和パフェを大食いしてみた~』
「ふふ、完璧な大団円だ。 さあ、天照ひより。 ルミナス魔法学院での三年間の学園生活もこれにて無事完結。 四月からはついに、世界を巡るフリーランス冒険者としての新しい旅立ちプロットの始まりだ」
「うん! よーし、四月になったら、冒険者としての新しい旅の始まり! ルファス君やミーナ、セシリアちゃんたちとは離ればなれになるけど、南の港町アクア・ダンジョンと特大魔導タコ焼き&海鮮パフェで美味しい冒険をたくさん作っちゃうぞ!」
窓の外では、春の満開の桜がどこまでも美しく舞い誇り、温かい春風がひよりの黒い髪とアカデミックドレスを美しく揺らしていた。
「パパ、ママ。 私ね、三月の卒業式で、三年A組のみんなと一緒に無事にルミナス魔法学院を卒業できたよ! 土の下に眠る天照のお宝たちの力を使って、暴走していたお肉も最高に美味しいステーキにして、みんなで一番美味しい桜もちパフェを食べられたよ。 これから私は、冒険者として世界中の美味いものをいっぱい探す旅に出るね! だから……いつか本当に私が美味しいものをいっぱい見つけて呉の家に帰れた時は、あのステーキ屋さんの口に入れるととろけるロース、パパの奢りで、絶対に家族みんなで、パパの財布が空になるまで食べさせてね!」
少女のどこまでも明るく誇らしいハッピーエンドの笑い声と、千年の時を超えてリュックの中で賑やかに笑う付喪神たちの声は、ぬくもりに包まれた学園都市の春空へ、遠い、遠い故郷の空へと、どこまでも、どこまでも爽やかに響き渡っていった。
学園編の終了です。お付き合いありがとうございました。
明日から新規一転して、方言丸出しのひよりをお届けします。
冒険者編をよろしくお願いします




