101:エピローグ
私の言葉にホッとした顔になったアズレークは、こんな頼もしいことを言ってくれた。
「魔法を教える件だが、王都に着いたら、私の屋敷にスノーと一緒に来るといい。私の屋敷には魔法を使うための専用の部屋もある。そこで思う存分、魔法の練習をするといい。……それに国王陛下はベラスケス家の一族が戻ってきた時に備え、かつてのベラスケス家の邸宅を買い戻されている。パトリシアの両親が王都に戻ったら、婚約のことをきちんと話そう。そして……結婚しよう。君が望むなら盛大な式も挙げよう」
「はい! 魔法の練習、家族と会えること、婚約と……そして結婚。王都に戻るのが楽しみになりました」
もう心臓が壊れそうなほど、バクバクしている。
嬉しさもそうだが、それ以上に恥ずかしくて。
でもアズレークは私を見て、その黒曜石のような瞳を細め、頬を赤くし、嬉しそうにしてくれている。その姿を見たら、恥ずかしさより、嬉しさが勝ってきた。
本当に。
断罪後に自分が悪役令嬢だったと気が付いた時は、完全に詰んだと思っていた。
修道院での生活が始まり、そしてアズレークにさらわれて。
廃太子計画のために偽聖女を演じることになり、魔力を送られ、魔法を使えるようになって。プラサナス城に乗り込み、ゴースト退治をして、そして廃太子計画を遂行した。
でもそれは王太子にかけられた『呪い』を解くことになり。
実は王太子が私を好きだと知り、困惑した。
その一方で。
王太子が私を好きだと知ることで、アズレークへの想いを自覚できた。
ただ、王太子からプロポーズされたら断るのが難しい、そう考えている時に、自分がアズレークの番であると知ることになった。そんな折に刺客にさらわれ、大ピンチになった時、アズレークに助けられた。さらに王太子の現在の想い、アズレークの気持ちを知ることもできて……。
断罪された悪役令嬢の末路は、悲惨なものが多い。
でも私の場合は違っていた。
悪役令嬢パトリシアは断罪され、修道院に入り、でも後に王太子の『呪い』を解き、その国で一番の魔術師の番と分かり、二人は結ばれ末永く幸せに暮らす。
そんな未来が想像できて、心からの笑顔になれた。
【完】
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
ジェットコースターのような怒涛の勢いで更新しました。
読者様の早く続きを読みたい!に応えたいと思い
頑張って見ましたが、お楽しみいただけたでしょうか?
ところで悪役令嬢ものでは「●●視点」というものが
存在していますよね。
そこで初めての試みですが
視点更新に挑戦してみたいと思います。
ということで。
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それでは視点更新で
またお会いしましょうヾ(≧▽≦)ノ



























































