【23話】卒業
【23話】
卒業式
その日は天気もよく、今年の桜は早く、満開だった。
色んな思いでの詰まった制服に包まれみんなは登校してくる。
私も卒業式ぐらい明るく過ごそうとみんなと写真を撮って泣いて笑って、最高の最後の思いでが出来た。
しかし、やはり作り笑いというのは疲れるもので、私は一人屋上に行った。
屋上は誰もいなくて至って静かで、下からはみんなのはしゃぐ声、泣く声色んな声が聞こえる。
私は大の字に仰向けになって目をつぶりみんなの声、風の声色んな声を聞く。
楽しかったな。色々あったけど、良い思い出だな~
最初は化学しかできないただのオタクで、男子とは話せなかった。そんな私が恋愛して、友達とその年相応の会話をして。。。
懐かしく思えず、まるで全て今さっき起ったかのよう。
「ダンっっっ」
誰かきたな~っと思いながらも、この場所が心地よくて離れられない。
「ここいいですよね~。ずーっと好きな場所だったんです。悩んだときもここに来たし、友達出来なくてさみしかった時も。私の大切な場所。あ、でも大切な人と喧嘩した場所でもあるな。」
知らない人相手に私は目をつぶりながら語る。でもやっぱり語っているうちに涙がこぼれてくる。
「それで大切な人、その人をずっと好きで、他人を傷つけてもその人と一緒にいたいってわざわざ彼氏と別れて。。。…で勝手にライバル視してた子より先手必勝だ~って誘ったんですよでもあっけなく断られ。あれが一番苦しかったな~」
私は黙って聞いてくれる誰か分からない人にずっと話し続ける。でも涙はドンドン溢れて、止まらなかった。
「…それでね、ってさっきからごめんなさい。」
そう言って顔を上げるとそこには里見君がいた。涙でぼやけてよく分からないけど確かにそこにいた。
「おまえ、それ俺に聞かれなくてよかったな」
「あ~」
私は里見君が見れない。下を向いて顔を赤く染める。
「てか、その人俺じゃん。」
「ちがうよ」
「どこがだよ」
そういって里見君は私に近づいてしゃがみ、私の頰を伝う涙を一なでしてほほえむ。
「ごめんな。お前の気持ちずっと気付かないで」
「だからちがうよ」
そう言いながら私はまた涙を流す
「バレンタイン、渡そうとしてくれてたんだな。」
「試験はどうだったの?」
「合格したよ。第1志望」
「よかった」
そして里見君は下を向いて少し黙り、また顔を上げる
「今からじゃ遅いかもしれない。もう俺という最低な男に愛想ついてしまったかもしれない。でも、俺からのホワイトデー受け取ってほしい。」
里見君はそう言って紙袋を差し出して、屋上から去ろうとする。
紙袋を空けてみるとそこにはネックレスが入っていた。
私は走って里見君を止める。
「ハッキリ言いなさいよ、あんだけ傷つけて待たせたんだから。里見君なんて大っ嫌い。」
全力でそう言って、そっと顔を上げると、里見君は驚いた顔をして笑って
「俺と、付き合ってくれないか」
「大好き」
里見君がもらったネックレスを私が左手で握りつぶしていることに気がつき、それを首につけてくれる
「お前が勘違いしてた神谷。俺の相談相手。ほんと俺なりに苦労したんだから。星柄なんかと付き合うし、こっちだって泣きたかったわ」
優しい顔で私を見つめる。
「不器用なひと」
「お前はネガティブ過ぎるんだよ。ばか」
そう、もう離れない。何があっても信じよう。だってこの人は不器用で言葉の足りない人だから。それでも私はこの人を心の底から愛してる。
どっちかなんて、最初から決まっていたのよ。
出会ったあの日から。
03/14 ホワイトデー
END
今までありがとうございました。半年休止してしまう事もありましたが、最終回を迎えられて良かったです。私の作品としてはじめてネットに挙げて反省する毎日でした。
次回作も作りはじめていますが、それは休止する事無く、連載していきたいのと、今回の反省含めて、また頑張りたいです。
目を通していただき本当にありがとうございました!
次回作はもっと良い作品にするので、そっちもまたよろしくお願いします。




