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【連載版】加護なしの第八王女は、前世が社畜だったので王宮生活がイージーモードにしか見えない  作者: 茨木野


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【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

 翌日、ティルたち先遣隊は妖精郷《アルフヘイム》の入り口へと到着した。

 ミシェルによる完璧なルート選択と事前工作によって、驚くほどスムーズな行軍であった。


「うひぃ、でっかいですぅ」


 ティルが首を痛めるほどに見上げる巨大な樹木が、何本も鬱蒼と生い茂っている。

 この底知れぬ巨大樹の森こそが、通称、妖精郷《アルフヘイム》だ。


 これより内部調査に入るわけだが、森の内部には目視できるほどに濃密な毒の瘴気が満ちている。

 通常ならば、足を踏み入れて数分で昏倒し、一時間もしないうちに命を落とすだろう。生身での調査など、本来は不可能な領域だ。


 だが、ミシェルが伝説の魔道具師である八宝斎に依頼し、特注した防護服を使えば話は別である。


「おおっ、すごいですぅ」


 ティルは防護服を身につけた状態で、恐る恐る妖精郷の森の中へと足を踏み入れた。

 何度も深く深呼吸を繰り返す。胸がまったく苦しくない。肺を焼かれるような嫌な感覚も皆無であった。


「師匠っ。これなら中に入れそうですぅ」


 ピクシーは静かに頷くと、部隊全員に防護服を着用させる。

 ふと、ティルは自分の胸元へと視線を落とした。


 防護服の左胸には、帝国の紋章である鷹のエンブレムが精巧な刺繍で描かれている。

 そして、その鷹の目の部分には、妖しく光る紅い宝石がはめ込まれていた。


「なんですぅ、これ」


 ティルが小首を傾げながら、硬い宝石の表面を指でこつこつとつつく。


「秘密兵器だよ。さ、行こうか」


 ピクシーは意味深な笑みを浮かべるだけで、それ以上は何も語らなかった。

 秘密兵器とは一体なんだと突っ込みたかったが、今は厄介な調査をこなすのが最優先である。


「さっさとこんなめんどっちぃ仕事は終わらせて、あの無表情鬼の元へ帰るですぅ」


 ティルは気合いを入れるように両頬をぺちっと叩き、薄暗い森の奥へと歩みを進めた。


 ティルは気づいていない。

 胸元の鷹の紋章から、極めて微かに、あの冷徹妃の安堵したようなため息が漏れ聞こえていたことに。


【おしらせ】

※9/4(金)


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