145
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
マデューカス帝国の次期皇妃、ミシェル。
帝国は現在、補佐官ティルや賢者ピクシーら先遣隊を、妖精郷へと調査に向かわせている。
大量の魔物がうごめく妖精郷への旅路だが、まったくと言って良いほど魔物と出くわすことはなかった。
それどころか、食料も十全に積み込まれ、最新式魔道具を装備させている。
過剰なほどの対策を練った状態で、ミシェルは彼女らを送り出したのだ。
夜の帳が下りた執務室には、乾いたインクの匂いと、静寂が満ちていた。
ミシェルは執務机の前に座り、淡々と書類仕事を片付けている。
膨大な量の報告書類と決裁書類。
羽ペンが羊皮紙を擦るカリカリという音が、規則正しく響いていた。
コン、コン。
「帰れ」
控えめなノック音が響いた直後、ミシェルは顔も上げずに短く告げた。
こんな深夜に自分の部屋へやってくる人物など限られている。
一番来る確率が高いのが誰か、ミシェルには痛いほどわかっていた。
だからこそ、即座に帰れと言い放ったのだ。
コツ、コツ、コツ。
「……珍しい」
足音が遠ざかって行く。
それはつまり、ミシェルの冷たい拒絶を、奴があっさり受け入れたということだ。
ミシェルは羽ペンの動きを止め、無意識に小さく頬を膨らませた。
(まあ、良いのだけれど。帰れと言ったのだから。帰って、それで問題ないのだけれど)
胸の奥底で、どうにもモヤモヤとした感情が晴れないでいた。
そして、理不尽な怒りのようなものさえ静かに湧き上がってくる。
(何素直に帰っているんですか、馬鹿が)
そのときだった。
ガチャリ。
背後で重厚な窓ガラスが開く音がして、生温かい夜風が室内に流れ込んできた。
「ミシェル、会いに来たぞ」
楽しげな声とともにやってきたのは、ギデオンだ。
ただ、入り口の扉からではない。彼はあろうことか、窓から侵入してきたのである。
「……おまえ、何をやってるんですか」
ミシェルは細い指で眉間を押さえながら、呆れ返った視線を向ける。
「ふっ。帰れと言われたから、一度帰った」
一度帰ったから、もう一度来てもいい。
そう言いたいらしい、この図体ばかり大きい皇帝は。
「なぜ窓から入ってくるんですか」
「ふっ……。ドアから入ったら、きっとまた帰れと言われてしまうからな。窓から入るという意表を突けば、入れると思ったのだ」
どうだと言わんばかりに、ギデオンが堂々と胸を張る。
その姿は、テストの満点を自慢する無邪気な子供のようだった。
ミシェルがここでもう一度帰れと命じる可能性も、十分にあり得た。
だが、彼女は小さく息を吐き出し、静かに言葉を紡ぐ。
「まあ、もう部屋に入ってしまった状態で帰れと言っても、ここはミシェル……自分の女の部屋なのだから、帰れもなにもないだろう。そういう理屈で居座るつもりでしょ」
やれやれと、ミシェルが呆れたように肩をすくめる。
「仕方ないので、良いですよ。居ても」
「え?」
「えってなんですか、えって……」
「いや、その理屈は頭になかった」
「っ、っ、っ」
ミシェルは顔を真っ赤に染め上げると、立ち上がってギデオンの胸元や頭をべしべしと叩き始めた。
硬い筋肉に当たって、小気味良い音が響く。
「ああ、そうか。俺に居て欲しかったのだな。素直にそう言えばいいのに。ふ……面白い女だ」
「黙れ」
【おしらせ】
※8/17(月)
新作、投稿しました!
ぜひ応援していただけますとうれしいです!
URLを貼っておきます!
よろしくお願いいたします!
『婚約破棄された加護なし令嬢、前世の知識で絶品あったかご飯を作ります~無理矢理嫁がされた極寒の隣国で、皆から恐れられる【狂犬皇子】が、毎食おかわりを要求して離してくれません』
https://ncode.syosetu.com/n6744mp/
広告下↓のリンクから飛べます。




