143.
ミシェルの手回しによって、妖精郷行きは無事に結構日になった。
「ちる~……」
城門前には、多くの兵士達があつまっている。
兵士達、そしてティルら探索対が、これから妖精郷へ出発しようとしてる。
見送りに来ているカイウスが、不安げに、ティるを見ていた。
「ちる……もうかえってこない……?」
「そんなわけ無いですぅ。ちゃあんと、帰ってきますよぅ」
にっこりと、ティルは笑って、カイウスを安心させようとする。
だがカイウスは不安げな表情のままだった。
……背後にいるミシェルもまた、冷たいまなざしを向けてくる。
「えっと……じゃあ約束! 指切りするですぅ!」
「指切り……?」
幼いカイウスはわからないようで、首をかしげる。
「師匠から教わったのです。約束するときのおまじない。そこで誓ったことは、絶対に破っちゃいけないのですぅ」
「! しゅる! ちると、指切り!」
二人は小指をあわせる。
「てぃるは、無事帰ってくるです! 約束するです」
「じゃあ、ぼくは……ぼくはちるがかえってくるのを、ずっと待ってる!」
二人が指切りを買わす。
そんな様子を微笑ましく見守る兵士達……だが。
「おまえ、わかってますね」
ミシェルは冷たい声音で、念を押すように言う。
「カイウスと指切りした以上、約束は死んでも履行してもらいますから」
その口調には固い意志が見て取れた。
「あいやぁ、死んだら無理なようなぁ~……」
「生きて帰れという意味ですよ。絶対に」
「ミシェル様……」
(てぃるのこと心配して……ないな。うん、ない。単にカイウス様可愛さゆえのでしょうね)
準備が整ったのか、ピクシーがやってくる。
「では、ミシェル。いってきます」




